【挑戦!i-Construction①】実際の機器、重機で20人が互いに実習 測器、衛星、ソフト、建機、レンタル、道路施工が完全協力


 2015年9月7日。東京都千代田区の日刊建設通信新聞社の本社で、「挑戦!情報化施工」と題した企画がスタートした。この企画は、情報化施工に携わる測量機器メーカー、GNSS(衛星測位システム)補正情報配信サービス会社、ICT(情報通信技術)建機メーカー、3次元データソフトウエアベンダー、ICT建機レンタル、実際の施工にあたる道路会社の計9社が協力し、総勢20人で、情報化施工の全技術を習得するものだ。


 情報化施工は、ICT建機を使って現場施工することだと思われがちだが、測量・調査、衛星測位、データ作成、建機、施工の知識の集合体だ。それぞれのフェーズには専門知識を持った人々がいて、施工会社が現場に導入するまでにいろいろなコンサルティングを行っている。しかし、自分の分野ではスペシャリストでも、他の知識を持つ人は意外に少ない。
 一方で、国土交通省が打ち出している「i-Construction(アイ・コンストラクション)」施策により、国の直轄工事には今後、情報化施工が広く浸透する。これまで情報化施工になじみがなかった建設会社にとって、導入のハードルは高いだろう。



 今回の連載企画では、参加各社が講師であり生徒として7回にわたる勉強会に参加し、互いの知見を交換しながら情報化施工の「AtoZ」を学ぶ。その歩みを記事とすることで、これまで情報化施工になじみのない人にも、分かりやすく内容が理解できる教材にする狙いもある。
 講習会は、(1)東京・神田錦町の建設通信新聞本社で開いた基本的知識講義(2)道路会社の研修センター(茨城・土浦)で開いた実際のトータルステーション(TS)、GNSSを使った測量実習(3)福井コンピュータグループ銀座事務所(東京・銀座)での発注図をイメージしたCADデータから作成する3次元データ作成実習(4)アクティオ千葉トレーニングセンター(千葉・市原)でのTS、GNSSを使った測量実習補習(5)アクティオ千葉トレーニングセンターでの3次元マシンコントロール(3DMC)ブルドーザーの機器設定と操作実習(6)日立建機技術開発センター(茨城・かすみがうら)での3次元マシンガイダンス(3DMG)バックホウの機器設定と操作およびTSを使った出来形管理実習(7)道路会社の施工現場(茨城・ひたちなか)での情報化施工を全面的に展開している現場の見学--で構成している。
 講習会には10代から60代までの男女20人が参加し、実際の施工で使われるソフトや自動追尾TS、GNSSローバー、ブルドーザー、バックホウなどを操作して、実地での情報化施工を体験した。



 初回の基本的知識講義を受講したメンバーからは、「社内資料などで聞いたことのある言葉は多かったが、イメージと違った。今後の講習を通してイメージを一致させたい」(渡部幸子さん・道路会社)、「要領案についての話など、自分は分かっていると思っていたが、理解不足だったことが分かった。顧客が必要としている情報をつかんでいきたい」(後藤李里さん・アクティオ)などの感想が寄せられたほか、「3次元データの作成、現地測量、機械のセットアップから導入サポートまで一人でこなせるくらいまで成長したい」(畠山甲さん・カナモト)という意気込みもみられた。
 国交省は、アイ・コンストラクション施策の中で、16年度から「土工へのICTの全面的な活用」を強力に推進する。その活用具体策として、衛星測位技術やICTを使い、調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新に至るまでの建設生産プロセス全体をシームレス化し、手戻りの発生などフェーズごとに生じる非効率を排除すると宣言している。



 そのために15項目の3次元データ対応型の基準類整備、ICT建機用の積算基準新設などを進め、わずか4カ月という異例のスピードで実施体制を整えた。
 次回からの連載では、アイ・コンストラクションの中軸を担う、情報化施工のすべてを、受講者の感想や思いを交えながら伝えていく。
 参加・協力した企業は、アクティオ、カナモト、ジェノバ、ニコン・トリンブル、西尾レントオール、日立建機日本、福井コンピュータ、道路会社の8社。

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