【挑戦!i-Construction⑤】次々に増えるGNSS衛星! 衛星測位と日本の電子基準点



 現在、地球には、米国が打ち上げたGPS衛星や、ロシアのグロナス、EUのガリレオ、中国の北斗(ベイドゥ)、インドのIRNSS(NAVICに名称変 更予定)などのGNSS(全地球衛星測位システム)が運用されている。日本も準天頂衛星(QZS)「みちびき」を1機運用中で、2018年までに4機体制 を目指している。衛星の数が増えているのは、世界各国が衛星測位の価値を認めているからだ。





日本の準天頂衛星「みちびき」準天頂衛星システムウェブサイト(http://qzss.go.jp/)から
◇桁違いの高精度

 情報化施 工の衛星測位とカーナビゲーションの測位との違いは、その精度だ。カーナビが10m程度の精度であるのに対して、情報化施工では平面で2、3cm、高さで 3、4cmという精度で位置を割り出せる。これは「補正情報」という技術を使って、衛星からの信号の揺らぎや誤りを補正しているため、カーナビとは桁違い の精度が実現できるのだ。
 一般的なカーナビは、衛星からの信号だけでなく、ジャイロや地図情報を統合して車の位置を割り出している。道路のナビゲーションだけであれば、数メートルの誤差があっても、ほかの方法を併用すれば実用上問題がないからだ。
  一方、現場で数センチ単位での出来形を確保するためには、カーナビほど誤差は許されない。そこで使われるのが、前回も触れた「補正情報」だ。現場内の複数 のアンテナと受信機で、同じ時間の位置情報をとっておき、一方は固定局、一方は自由に動く移動局として、あらかじめ位置を確定した固定局の基線情報などを 計算し、移動局にその結果を渡す。すると移動局の正確な位置が計算で割り出せる。この方式は、リアルタイムキネマティック(RTK)測位と呼ばれる。
 最近の衛星測位は「干渉測位」という方式が主流で、その方式は(1)スタティック測位(2)キネマティック測位(3)リアルタイムキネマティック(RTK)測位(4)ネットワーク型RTK測位(VRS、FKP)に分けられる。
 スタティックは、文字どおり静止した状態で20分から2時間、その場から動かずに衛星からの情報をとり続けて測位する。現場ではこうした方式では時間がかかりすぎるため、RTK方式かVRS方式がよく使われている。


VRS(仮想基準点方式)を使った測位のイメージ



◇ネット経由で補正情報


 現場に固定局と呼ばれるGNSSアンテナを設置すれば、衛星の信号の揺らぎを補正できる。重機のアンテナの信号と固定局のアンテナの差を計算して精度を高めている。
  一方現場に固定局を置かず、電子基準点とインターネットを使って補正するタイプがVRSだ。日本には全国に1300を超える電子基準点が、国土地理院に よって整備されている。基準点は位置が固定されているため、同じ衛星からの信号のゆらぎが分かる。現場の固定局の代わりにこの補正情報を使う。
 現場に近い電子基準点から取得した生の補正情報は、国土地理院が公開しており、ジェノバのようなデータ配信会社がそのデータを解析してインターネット経由で重機に配信すると、固定局がなくても精度のよい測位ができる仕組みだ。

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