【挑戦!i-Construction⑥】いざ、現場でどう使う? 設計データ不要のICT重機もある

前回まで、工事基準点や重機の座標の取り方を見てきたが、座標がとれるようになったら、いよいよ重機をi-constructionの施工技術である「情報化施工」に対応させよう。情報化施工には、いくつか種類があるが、3次元で設計したデータを重機に搭載し、重機の現在位置データと比べながら施工する「3次元マシン(3D)」と、設計データを載せず、施工重機のブレードやバケットの高さや勾配だけを知らせる「2次元マシン(2D)」がある。
 またそれぞれの方式には、ブレードやバケットを油圧で自動的にコントロールする「マシンコントロール(MC)」と、画面や光、音でオペレーターに知らせる「マシンガイダンス(MG)」がある。これ以外にも、ローラーの転圧管理システムもあるが、今回はMC、MGを解説する。




3DMCブルドーザの機器構成
◇ブルドーザ・グレーダーは、3DMCが主流

 情報化施工機器がよく搭載される重機は、ブルドーザー、モーターグレーダー、バックホウなどだ。ブルとグレーダーは、ブレードで設計したとおりの勾配に仕上げるための重機で、ブレードの油圧コントロールがしやすいために、3次元マシンコントロール(3DMC)が浸透している。
 重機がトータルステーションや衛星などから位置や方向を得られれば、コントロールボックスに転送した3次元設計データのどこを施工しているかわかるようになる。その情報を元に、ブレードを何センチ上下させれば設計面どおりになるかを計算して、油圧バルブを自動制御すれば、オペレーターは重機を前後進させるだけで敷き均し作業ができる。
 実際の敷き均し作業は、何層にも分けて施工するので、「オフセット」という機能を使って、設計面をそのまま上下させて、だんだんと高さを合わせていく。

3DMCブルドーザーのコントロールボックス

◇あなたのブルもICT重機になる

 もしあなたの現場のブルドーザーを3DMCブルにしたい場合、なにが必要かをみてみる。まずはブレードにTSのターゲットかGNSSアンテナを設置して位置情報がとれるようにする。ブレードにはチルトやピッチがあるので、いまの角度を測るための角度センサーを取り付ける。キャビンには、設計データや位置情報などを表示するためのコントロールボックスや電源、無線機をつけ、コントロールボックスから油圧制御するためのバルブモジュールを取り付ければ完了だ。
 最近は、メーカーのほうでも出荷時からセンサー取り付け用のブラケット、バルブモジュールへの対応なども済ませた重機を販売している。またレンタルであれば、機器メーカーやレンタルメーカーが装着の手伝いをしてくれるケースが多い。対応重機ならば機器装着は1日程度だ。
2DMCのブルドーザのしくみ

◇設計データのいらない2DMC

 もし水勾配などを精密に施工するのではなく、単純な盛土敷き均し作業だけであれば、2DMCのブルやグレーダーも使える。現場に回転レーザーといわれるレベル出しのレーザーを設置し、ブレードに受光器を取り付ければ、3次元設計データを使わずに、指定した高さにブレード位置を固定してくれる。回転レーザーでなく、走り出す前にブレードの高さを「ゼロセット」して、その高さを維持する方式もある。現場の状況に応じて選ぶことができる。
 「3次元設計データなど敷居が高い」という現場の方も、まずはデータのいらない2次元で使ってみると、以外に効果を感じられるものだ。


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