【挑戦!i-Construction⑧】もう「踏み残し」なし! 締固め、転圧管理にも活躍


 土工の中心となるブルドーザー、バックホウの情報化施工を見てきたが、もっと導入しやすい情報化施工もある。ローラーなどの締固め管理だ。国土交通省は2003年にTS・GNSSを用いた盛土の締固め情報化施工管理要領(案)を策定、その後12年に同管理要領と監督・検査要領をまとめている。国交省は土工だけでなく舗装の転圧やコンクリートの締固めにも応用を勧めている。実際、この締固め管理手法は、ブルドーザー、ローラー、振動コンパクターなどで利用され、ダム堤体工などでも多く使われるようになってきた。


ローラーの表示画面例

 TS・GNSSを使った締固め管理は、基本的には、「ぬりえ」のイメージをするとわかりやすい。締固めする工区の平面図に、ローラーが走行した軌跡を回数ごとに塗り分けていくイメージだ。TSやGNSSで取得した重機の位置をリアルタイムで記録し、平面図を塗っていく。一般的には転圧回数が多くなるほど青から赤に塗り変わっていくので、踏み残し個所があれば一目で分かる。必要回数は、本施工前に実際の材料上で試験施工を行って、表面沈下量と締固め度を砂置換法やRI法で計測し、6回、7回などと決定する。管理するマス目の大きさは、履帯間が接地しないブルドーザーで0・25メートル角、ローラーなどで0・5メートル角だ。

◇必要な機器



 ロードローラーを例にして、必要な機器を見てみよう。まず、ローラーが現場のどこにいるのかを特定するために、TSであればプリズムを、GNSSであれば受信アンテナと受信機をローラーの任意の場所に取り付ける。
 例えばキャビンの屋根左後方にアンテナをつけたとすると、アンテナ底面の位置と、締固めするローラーの接地面中心の差を正確に計測し、高さ、後方、左右について、どれくらいオフセットしているかをシステムに入力する。
 ローラーへの機器設置が完了したら、現場事務所で締固め管理用の平面図データを作成する。必要となるのは、作業エリアの全体と、層ごとの締固め範囲のCADファイル、加えて、現場全体が分かるCADファイルもあると、画面の背景図として使えるのでオペレーターは全体との関係が理解しやすくなる。これらのデータを締固め管理ソフトで加工し、ローラーに載せるノートパソコンに転送する。
 準備が整ったら、オペレーターがパソコン画面の平面図を見ながら決めた転圧回数になるようにローラーを操作するだけで、踏み残しなく施工が完了する。

◇帳票出力


回数管理図と走行軌跡図

 発注者の施工管理要領では、管理帳票の提出が決められている。必須なのは、締固め回数分布図、走行軌跡図、施工管理図など。提出を施工日ごとに行うか、層ごとに行うかは、監督者との協議をしておくほうがスムーズに進むようだ。ほかにも管理ブロックサイズ、作業時刻、走行時間、距離、締固め平均速度も記載する。また提出書類として、土質試験結果、試験施工結果、材料品質、システムのログなども提出が必要だ。
 こうした帳票類も締固め管理ソフトが作成してくれるので、一度導入して慣れてしまえば、現場管理がスムーズになり施工品質も向上する。情報化施工の入り口としてこうしたシステムを導入してはいかがだろうか。

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