【コベルコ建機】i-Constructionに本格参入! 測器3社から営業マン導入 来秋3D-MCバックホウも

コベルコ建機は6月1日に「ICTホルナビ推進室」を創設。建設現場の生産性向上を目的に、国土交通省が2016年度から本格始動させた「i-Construction(アイ・コンストラクション)」の施工現場拡大を背景に、専門的に対応できる組織体制を固めた。選ばれる建機メーカーとして生き残るため、どう差別化を図るのか。6月末から室長として推進室を率いている絹川秀樹執行役員に聞いた。




 「ICT(情報通信技術)対応に戸惑っている建設会社にとって駆け込み寺になれれば」と、新たに同室を創設した背景を語る。独自の情報化施工ブランドとして立ち上げたマシンガイダンスシステム「ホルナビ」を軸に、ニコン・トリンブル、ライカジオシステムズ、トプコンの測量機器メーカー3社と協業することで、顧客の要望に沿ったマルチシステムを提供し、測量から施工まで「ワンストップの推進役」を担う。メンバーはコベルコ建機の販促部門から5人、技術部門から2人のほか、測量3社から各1人が加わっている。「(社の枠組みを超えて)机を並べ、毎日顔を合わせて真剣に議論している」と既に信頼関係の構築にも手応えを感じている。

 競合他社がICT対応を本格化している中で後追いの形となるも「(推進室の設置は)インパクトが大きいはずだ。徹底した差別化ができる」と自信をのぞかせる。背景には、“ICTの柱"と位置付ける測量分野でトップ3社と連携した強みがある。

 「大変かもしれないが、各社の既存の流通網が(販促の)武器になり、建機市場全体の8割の現場をカバーできる」とみている。「互いの領域に踏み込むことがないため、(当社は)ショベルまわりの開発に専念できる」とも。さらに「すでに欧米に進出している測量機器メーカーから海外の情報を得られる」とメリットを挙げればきりがない。

 3DMG(3次元マシンガイダンス)の開発に携わったのは1990年代。「当時は熟練のオペレーターが多く、どんな機械を開発してもかなわなかった」と振り返る。これまで同社のICT建機対応はミニショベルと2次元マシンガイダンスシステムにとどまっていたが、現在は労働力不足やオペレーターの高齢化が深刻化し、電子部品のコストも下がってきているという。「他社に比べて精度、スピードをあげる開発のめどがついた」と自信をのぞかせる。

 今秋から13t、20tクラスのバックホウに3DMGが搭載できるようにするとともに、2017年秋には3次元マシンコントロール(3DMC)にも対応し、UAV(無人航空機)やクラウド対応にも乗り出す考えだ。販売にあたっては、「測量機器メーカーに相乗りさせてもらうことでショベルを売り込む。現物をさわって確かめてほしい」とし、体感施設の開設は考えていない。資本投下しているレンタル機器会社は5社あるが、「外販を主体に買ってもらえる価格までやる」と徹底攻勢をかける。

 ICT建機の行き着く先は「故障予知、予防保全」と見据える。「ICT技術を活用し、壊れる前に部品を取り替えることができるのが理想だ」。挑戦は始まったばかりである。
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1984年3月大阪府立大工学部卒、同年4月神戸製鋼所入社。94年9月建機エンジニアリング事業本部建機・汎用機械本部統括部付、99年コベルコ建機入社。2015年4月執行役員営業促進部長およびカスタマーサポート部担当を経て6月末から現職。兵庫県出身、54歳。

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