【挑戦! i-Construction⑪】今度は衛星で座標取得! 基地局設置とローバー測量


 トータルステーション(TS)の測量実習から約1カ月後。今度は千葉県市原市にあるアクティオの千葉トレーニングセンターで、GNSSを使った測量実習を行った。情報化施工におけるマシンガイダンスやマシンコントロールでは、TSかGNSSで重機の自己位置を知らせる。GNSSでは衛星からの信号を利用するため、TSよりも範囲に縛られず柔軟に運用できる利点がある。

TSとGNSSの違いを学ぶ


▽RTKとVRS方式

 現場でよく利用されるのは、リアルタイムキネティック測位(RTK)と、ネットワーク型RTK測位(VRS)だ。RTK測位では3次元座標がはじめから分かっている既知点にGNSSアンテナと受信機(最近では一体化しているものも多い)を据えて基地局として定め、重機やローバーに搭載したもう一基のGNSSアンテナを移動局として使う。現場のアンテナと受信機は5つ以上の衛星の信号を解析して位置を確定するが、基地局の座標と衛星からの解析座標に差違が生じた時に、動かない基地局の情報から移動局に「補正情報」を送信して精度を保っている。
固定局から補正情報を受ける

 もうひとつのVRS方式は現場に基地局を置かず、現場近くの数点の電子基準点から現場に仮想基準点を計算上で求め、これを基地局の代わりに使う。
 電子基準点は国土地理院が管理して24時間測位が受けられており、この情報を基にジェノバのような補正情報配信会社がRTK法の解析を行い、携帯電話網などを通じて移動局のGNSSアンテナの座標を補正する仕組みだ。VRS方式は基地局がいらないので、移動局だけを重機やローバーに取り付けて、ネットワーク補正情報を受ける環境を整えれば作業が始められる。

既知点に基準局を立てる


◇基地局を設置

 講習会では、センター内に基地局を据える作業から始めた。まず工事基準点上に基地局のGNSSアンテナを正確に設置する。基地局の運営には電源も欠かせない。半日程度であれば内部バッテリーでも可能だが、長時間継続的に運用する場合は、稼働のための電源が必要だ。現場事務所の屋根に設置したりするケースもある。
 設置が済んだら、移動局となるGNSSアンテナに補正情報を送信するため無線方式やチャンネルを設置する。移動局側でも同様に基地局と通信するための無線やチャンネルを設定し、両方の局がきちんと稼働しているか確認する。
 衛星信号は、補足している衛星数が少なかったり、何かに反射して電波障害が起きている状態(マルチパスと呼ばれる)が起こると「FLOAT」と呼ばれる位置確定できない状態になるのできちんと対応したい。講習では、すべての参加者がローバーを持って計測点を測量し、ミリ単位の精度で3次元座標を測ることができた。

設置が終わった基地局
移動局を使って座標を測る
ローバーを使って一人で計測も可能だ
計測の際は円形気泡管を見て垂直をきちんととる
結果発表


◇ローカライゼーション

 GNSSを使った情報化施工では、TSにはない「ローカライゼーション」という作業が必要だ。通常の現場施工は、TSによる平面位置測量と水準測量による標高で工事座標を決めている。しかしGNSSは衛星からの信号が測量根拠になるため、通常の地上測量で求めた工事基準点と、衛星から求めた工事基準点の座標の精度差を平均的に局地化(ローカライゼーション)しなければならない。
 この機能は通常、GNSS計測機器に付属している。メーカーごとに若干の差はあるが、一般的には、工事範囲を包括する工事基準点の3次元座標を入力しておき、GNSSで各工事基準点を測量し、計測値と入力値の差分を確認、誤差を補正する。


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