【挑戦!i-Construction⑩】TS初心者の計測に60㎝も誤差が! 設置した基準点をトラバース


 茨城県土浦市にある道路会社のテクノセンターで行ったトータルステーション(TS)での測量実習。前回は、TS測量の概要をお伝えしたが、今回は実際の実習で、初心者が計測するとどんな結果が出たのかをリポートする。

バスでテクノセンターに到着

 当日バスでテクノセンターに集合した一同は、衛星測量の基礎と、ネットワーク型RTK-GPS観測であるVRS(仮想基準点方式)について座学で学んだ。

座学で衛星測量の基礎を学ぶ

 実習では、講師がVRSであらかじめ計測し、K1からK4と名付けた基準点をテクノセンター内に設置した。実習生は4班に分かれて、K1から順番に基準点の座標をTSでトラバースする。

講師が設置した基準点

 フィールドでは、TSを据える三脚の設置から始めるが、基準点の直上に三脚の中心を捉えながら、台座をほぼ水平にすることが難しい。実習生は、円形気泡管、整準望遠鏡と格闘しながら水平に設置するまで、10分以上の時間がかかった。

基準点上で水平をとるのは難しい

円形気泡管をたよりに設置

直下の基準点に合わせる

 次に自動追尾式のTSとデータコレクタを通信させて、プリズムを追うように調整する。プリズムも円形気泡管がついている三脚に載せ、K1の位置のTSからK2の位置に据えたプリズムを視準する。4班が次々に基準点をトラバースしていくので、あとから追っていく班は、プリズムを三脚からはずして基準点の上に直接置いて測らなくてはならない場面もあった。

他チームの作業を邪魔しないようにプリズムを置く

 4つの基準点座標を測り終えると、データコレクタの記録から、野帳に測量した座標を写し取る。3時間程度かけて、すべての班は座標を計測した。

データコレクトでTSと通信

 講師陣が設置したK1からK2の平面での点間距離は、VRSで89.224m、TSで実際に測った距離は89.232mで、8mmという精度に収まっていた。

VRSで補正したGNSSローバーで確認中

 実際に主なチームの計測値を比べた結果、A班は、X方向で42cm2mmの誤差、Y方向で13cm、高さ方向で4.5mmの差が出た。B班は、X方向で67.5mm、Y方向で4.2mm、高さ方向で3.4mm、C班はXが4cm7mm、Yが1.5mm、高さが4.1mmとなった。VRSによる測量結果と比べて、大きな場所では60cm以上の誤差が出てしまった。

計測値を確認中

 考えられる原因は、プリズムの設置高さで、1.8mもの高さだと、ポールの傾きによって一気に水平方向の精度が悪くなる。TS設置が初めてだった初心者なりの慣れのなさだと分析された。

結果発表

 実際の工事現場だと、許されない誤差だ。本来ならば計測のし直しになる。講師を務めたニコン・トリンブルの鈴木勇治氏は「通常、基準点を設置する場合、座標測量は使わない。角度と距離をトラバースして測るのが通常の測量基礎になる」と解説した上で、「基準点上にきちんとTSを据えることの重要性を学んでほしい」と締めくくった。

実習を終了

 参加者からは「もっと練習回数が必要」「機械設置の大変さ、ずれが出やすいことが分かった」「使いこなせれば業務に幅が広がる」「今後の現場作業に役立てたい」との声が上がった。

番外編・昼食風景

0 コメント:

コメントを投稿