【挑戦! i-Construction⑫】2次元の図面から立体図を作る! 3次元設計データ作成に挑戦

前回までは、実際のフィールドで測量系実習を展開してきた。i-Construction(アイ・コンストラクション)で実際に道路土工などを行う場合、避けては通れないのが「3次元設計データ」の作成だ。ICT建機を現場で動かすためには、重機を動かす受注者が2次元のCAD図面から3次元座標データを作成する必要がある。
 講習会メンバーは、東京・銀座の福井コンピュータグループ銀座事務所で、施工管理ソフトである「EX-TREND 武蔵」の建設CADを使って、設計データの作成実習を行った。コンサルから受領した2次元平面の発注図書の縦断、横断図から、マシンコントロール(MC)、マシンガイダンス(MG)重機に転送する3次元設計データを作成する。
「EX-TREND 武蔵」の建設CAD



◇図面の取り込み

 今回の実習は、発注図書であるCAD図面を取り込むことから始める。平面図、縦断図が1枚ずつ、複数断面を収めている横断図が5枚の計7枚だ。まとめてプログラムにドラッグすると、ファイル名に指定してある順番で取り込まれる。
発注者から渡される縦断図
同じく横断図

 まず図面の確認と照査を行う。平面図の照査は、座標リストと曲線要素を確認する。座標確認では線形の始点(BP)、終点(EP)、単曲線の始まり(BC)、終わり(EC)、クロソイド曲線の始まり(KA)、終わり(KE)がきちんと記入されているか確認する。
 要素としては曲線半径(R)、パラメータ(曲率の変化率)(A)を確認する。素人の記者にとって、平面図が一番図面らしく見える。
 縦断図は、現況の地盤高に対する計画高や、基点からの各曲線要素の追加距離などが記入してある。計画変化点の測点名や、縦断の曲線について、曲線長(VCL)、曲線半径(R)が記入してあるか確認する。記者は、凸部がクレスト、凹部がサグと呼ぶことを初めて知った。
道路の線形概要(福井コンピュータ提供)

 3種類の図面の中で、一番種類が豊富なのが横断図だ。1枚の図面ごとに3から4種類の形状が、BPとかNo.1という名前とともに、勾配、道路中心などとともに記入されている。この図面から、現地盤と計画地盤の差や地盤を切り土するのか、盛り土するのかなどが分かる。
 照査としては横断図の形状が記載寸法に合っているかを、CAD機能から2点間距離計測という機能を使って確認する。

◇図面の3D化について

 実習を始めて改めて思ったことは、「設計図面は本当に2次元でやってくる」ということだ。国土交通省のi-Con施策の図で、設計段階からの3次元化という項目があるが、施工会社に提供されるのが平面、縦断、横断という2次元図面しかないということに単純に驚いた。
 あるコンサル会社に勤める方に「コンサルでは2次元で設計しているのですか」と聞いたところ「そのとおりです」という答えをもらった。その人たちに、今後3次元で設計してほしいといっても一朝一夕にはいかないだろうことは分かる。
データの作成フロー(福井コンピュータ提供)

 また測量の世界は、国の基準によってさまざまなことが厳しい規格で定められている。今年度からは国土交通省の国土技術政策総合研究所が、i-Con施策のなかで「LandXML1.2に準じた3次元設計データ交換標準(案)r.1.0」を定めた。
 この中には、中心線形データや横断形状データなどモデルに対する考え方から始まり、文字コードやXMLスキーマなど、土木の設計だけでなくコンピューターそのものの知識も含まれている。改めてi-Conには広範な知識が不可欠だと感じる。

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