【挑戦! i-Construction⑰】現場でUAV測量、どうすればいい? 監督・検査要領から読み解く


 Aさんは、ある地方整備局が発注したi-Construction対応型工事(ICT活用工事)を、見事受注できた。早速、現場でUAVを使って空中写真測量をすることにした。「でも、ドローンもいろいろ種類があるし、どんなカメラを使えばいいのかもわからない。写真を撮ったあと、具体的にどんなソフトを使えばいいのか」。極力、自社だけの力でICT活用工事に取り組みたいAさんは悩んだ。
 そんなときは、ことし3月末に整備された15の基準類のうち13番の『空中写真測量(無人航空機)を用いた出来形管理の監督・検査要領(土工編)』を開いてみよう。国交省のHP(http://www.mlit.go.jp/common/001124403.pdf)からダウンロードできる。



◇UAVとデジカメの選び方

 要領では、UAVに搭載するカメラについて、(1)計測性能は地上画素寸法が1画素あたり1cm以内(2)測定精度プラスマイナス5cm以内と定めている。地上画素寸法とは、デジカメのCCDやCMOSといわれるセンサーのサイズと焦点距離、撮影高度から計算できる。
 撮影高度=地上画素寸法の0.01m/カメラの1画素あたりのサイズ×焦点距離という式になる。デジカメの説明書に、センサーは35mmフルサイズと書かれていれば、センサー面積は36×24mmだ。そして有効画素数が2400万画素であれば、846平方mm/2400万の平方根で計算し、1画素あたり0.000006mになる。
 これを代入すると、この場合の高度は58.3mだ。少し複雑になってしまったが、ハイエンド一眼レフのデジカメを使えば、高さ約60mから撮影しても、規定を満たせる。
 要領の対地高度標準は50m。航空法では自動車や人から30m未満の距離での飛行は承認が必要になるので、この範囲を勘案して飛ばす必要がある。
デジカメのセンサーと被写体の関係(記事本文とは数値が異なります)


◇ファントム4でも可能か

 比較的安価で手に入りやすいDJI社のファントム4で、出来形管理の写真測量は可能なのだろうか。ファントム4搭載のカメラ(有効画素数1240万、センサー2.3分の1インチ)から計算すると、高度は20m程度になる。使えなくはないが、写真点数が増え、飛行承認が必要になるなど手間が増える。日本製の産業用ドローンを使って、大きなカメラを搭載した方がスムーズだろう。
 ただ、起工測量、出来高計測に使うなら、そこまで精度を求めないので、ファントムも使える。

◇必要なソフトウエア

 監督・検査要領には、利用ソフトウエアについて(1)3次元設計データ作成ソフト(2)写真測量ソフト(3)点群処理ソフト(4)出来形帳票作成ソフト(5)出来高算出ソフト--で構成すると書かれている。
 福井コンピュータの製品を例に挙げると、3次元設計データ作成は「EX-TREND 武蔵」、点群処理、出来形帳票作成、出来高算出は、「TREND-POINT」が該当する。
UAV測量データの流れ

 出来形帳票の作成は、現バージョンでは汎用機能を使って対応する形だが、9月13日にリリースするバージョン4では、ヒートマップや、測定のデータ数、評価面積や合否判定結果を記載した、指定様式出来形管理図表の作成にも対応する。
9月13日にリリースするTREND-POINTバージョン4
出来形評価などにも対応している

 現状で、福井コンピュータの製品にないソフトウエアは、複数の空撮写真から点群データを生成する点群処理ソフト写真測量ソフトだ(2016/08/18訂正)。
 Agisoft社の「Photoscan」、トプコンの「Image Master」、acute3D社の「ContextCapture」などが市販されている。
Agisoft社の「Photoscan」で生成した点群


8 件のコメント:

  1. 『ファントム4搭載のカメラ(有効画素数1240万、センサー2.3分の1インチ)から計算すると、高度は20m程度になる。』と記載がありますが、前述の計算からすると96.26mとなりませんか?

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  2. 申し訳ありません、計算を間違えました。93.75m

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  3. 計算式を公開していただけないでしょうか?または何か対地高度や必要画素数が計算でき出来型測量に支障をきたさないようになりたく、本を紹介いただけないでしょうか?

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  4. 【■解説1】で本文解説の補足、【■解説2】でPHANTOM利用時の解説をします。

    【■解説1】まず記事の計算(◇UAVとデジカメの選び方)についてですが、計算に使用した焦点距離が記載されておらず、参考図の数値が本文と異なるため、混乱原因の一つとなっています。
    なので本文の例題から解説すると、カメラの仕様は以下の様になっています。
    ●【センサー:35mmフルサイズ(36x24mm)、有効画素数:2400万画素、焦点距離:35mm(※これが参考図と異なる上、本文に記載されていないため誤解を生んでいます)】
    この条件のカメラを使用して、撮影高度を計算すると、
    ●カメラ1画素サイズは、(36x24mm)/2400万画素=6μm(本文と同様)
    ●撮影高度の計算式は、比の関係を考えれば本文の式が導けます。
    『撮影高度:地上画素寸法(0.01m)=焦点距離(35mm):カメラ1画素サイズ(6μm)』
    計算すると、撮影高度=地上画素寸法(0.01m)/カメラ1画素サイズ(6μm)×焦点距離(35mm)=58.3m となります。

    【■解説2】PHANTOM4(以下、P4)カメラの仕様(PRO等とは異なるので注意)
    ●【センサー:2.3分の1(6.2x4.7mm)、有効画素数:1240万画素、焦点距離:3.67mm(※)】
    以上がカメラの仕様ですが、焦点距離に対して誤解が多いと思われます。
    P4の仕様を見ると焦点距離は、【20mm(35mm換算)】と記載されています。
    35mm換算というのは、35mmフルサイズのセンサーが搭載されているとすると焦点距離は20mmに相当する、ということです。
    詳しい説明は省略しますが、焦点距離の比較をしやすくするため、カメラの世界では35mmフルサイズのセンサーを基準として表記するのが通例のようです。
    P4において、実際には【35mmフルサイズのセンサーではなく、2.3分の1のセンサー】が搭載されているため、焦点距離も実際は【20mmではなく3.67mm】ということです。
    35mm換算ではなく、実際の焦点距離の算出方法は、相似比と面積比の関係から計算できます。
    【相似比の二乗が面積比】ということから【面積比の平方根が相似比】なので、
    面積比の平方根を求めると、√((6.2x4.7mm)/(36x24mm))=0.184
    これが相似比なので、【35mm換算の焦点距離】:【実際の焦点距離】=1:0.184
    【実際の焦点距離】=20mm×0.184=3.67mm となります。
    始めに挙げたカメラの仕様はここまでで理解できたと思います。
    ここまで分かれば、撮影高度の計算は【■解説1】と同様で
    ●カメラ1画素サイズは、(6.2x4.7mm)/1240万画素=1.53μm
    ●撮影高度=地上画素寸法(0.01m)/カメラ1画素サイズ(1.53μm)×焦点距離(3.67mm)=23.99m となります。

    解説は以上です。ポイントはセンサーのサイズ(何が搭載されているか)と焦点距離(実際の距離がいくつか)だと思われます。
    また、【35mm換算】という言葉の35mmというのが、焦点距離ではなくセンサーのことだ理解しておかないと混乱します。(長さなので焦点距離が35mmなのかと誤解しやすい)
    長文失礼いたしました。当初、私も理解に苦しんでいたので参考になれば幸いです。

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  5. Nonameさん

    とても詳しく教えていただきましてありがとうございます。
    実は、ポストされた日にも拝見させていただき、それから色々情報集め試行錯誤した結果計算式がわかりました。Nonameさんのように算出する方法や他にも細かいところでアプローチがNonameさんと違う計算式がありましたが、結果は誤差の範囲でした。

    ところで、2点気になった点があります。

    1. カメラ1画素サイズはの式の記載としては下記がよろしいかともいます。数学が分かる人は分かるでしょうが何十年もその分野からは離れている私には一切分かりませんでした。
    カメラ画素サイズ:√((6.2x4.7mm)/1240万画素)=1.53μm
    2. センサーサイズ 1 2/3 は6.2 x 4.7mmではなく、6.2 x 4.6mmの情報を良く拝見します。計算式が合ってれば何れにしても誤差の範囲なので支障はないですが、その点が明確になると良いと思いました。

    GYさんが質問していても何も応答がなかったので返信があるか不安だったのですが、本当にありがとうございます。

    これからも、御社からUAV測量、i-Constuructionに関連する情報などに期待しています。

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    1. Ask Freeさん

      返信ありがとうございます。
      少しでも参考にしていただけたのなら嬉しいです。

      指摘いただいた2点について、追記します。

      1.について、
      おっしゃる通り、平方根(ルート記号)を書き忘れていました。
      平方根がないと計算結果が異なり、誤解を生んでいました。申し訳ありません。故意の省略ではないので、指摘いただいた通りの式が適切だと思います。

      2.について
      センサーサイズについては、調べた限り、6.2 x 4.7mmと6.2 x 4.6mmのどちらの情報も見受けられました。
      これはメーカーなどにより多少異なるのではないか、と解釈していますが、カメラにそこまで詳しくないため、明確なことはわかりません。


      また誤解されているかもしれませんが、私も一閲覧者ですので、公式的な解答というわけではありません。
      私もUAV測量について、勉強していますが、細かな部分まで説明されているものが少なく、同じような人と情報共有したいと思ったため、勝手ながら解説させていただきました。

      また何かありましたら、よろしくお願いします。お互い頑張りましょう。

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  6. Nonameさん

    知識を共有していただきありがとうございます。当ブログの関係者ではなかったのですね。失礼しました。

    UAV測量はなかなか難しいですね。国土地理院が9月に掲載にした内容を見ても、素人感覚では工事現場で使うにはセンサーサイズ、高度、2つのカメラ位置などがキーになりそうな感じでした。読み間違いの場合はご容赦願います。

    UAV を活用した写真測量の精度検証@国土地理院:
    http://www.gsi.go.jp/common/000192398.pdf

    こちらこそまた何かありましたらよろしくお願いします。お互い頑張りましょう。(^^)

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