【挑戦! i-Construction21】RealWorksで点群加工 土量や縦横断データ出力も


 前回、レーザースキャナー(LS)を使った3次元計測を、フィールドで5回行った。本体に挿入していたSDカードに、5回分の測定データが5つのファイルに分けられて記録されている。このSDカードを本体から抜き取って、いよいよ点群データの加工を行う。

SDカードを本体から抜き取る
今回は、ニコン・トリンブルのTX-5という機種を使って測定したので、3次元データの処理も同社のソフトで行う。点群データを処理するソフトは、「Trimble RealWorks」というソフトだ。
 このソフトは、数百万点以上の膨大な生の点群データを現場で必要な状態に加工したり、CADシステムで利用できる形にコンバートするなどの役割を担っている。
Trimble RealWorksの画面
Trimble RealWorksを立ち上げ、スキャンした5つのデータをソフトに読み込ませると、きれいなパノラマ写真のような画像が表示される。これはスキャンした点に、3次元座標に加えてRGBの色データも取得されているので、写真のように感じられる。
写真のようにも見える取得データ
次は、前回スキャン時にフィールドに設置した「ターゲット球」という合成処理用標識を使って、5つの場所から取得した点群データを合成する。RealWorksは、自動的にデータからターゲット球を読み取り、合成してくれる機能がある。また「レジストレーション」という合成ターゲットがなくても合成してくれる機能も持っている。特徴点を自動的に判断して、複数のスキャンによる点群を合成する。
 5つのデータが合成され、現場全体の点群が1つのデータにまとめられた後は、データの加工作業を行う。
 スキャンした点群データには、現場に置いてある建機や生えている草木、作業員など、実際には不要なものも写り込んでいる。また、データ取得するスキャナーの真下も計測できないので、スキャンデータを開くと円形のスキャナー影や三脚の一部のデータが反映されていない部分もある。
スキャナーの直下は、点群がない
不要な点群は、ソフト上で点群を指定して樹木や建機を取り除く。データが少なかったり足りない部分は、違う場所から取得したデータで補う。不要なノイズ点群が除去され、足りない点が補われると、工事に必要な現地盤の3次元データが完成する。
 完成したきれいな現況測量の3次元データは、コンサルから提供された設計図書をもとに、設計データ作成ソフト(トリンブルではBusiness Center-HCE)などで作成した3次元設計データと重ね合わせて、必要な土量計算を始め、現況のTINデータ、現況の縦断面や横断面の切り出しや、コンタ図の作成もできるようになる。
合成が終わった点群データ
地上LSによる計測は、UAVによる空中写真測量に比べ、レーザーで直接、精度の高い3次元座標がとれることや、UAVでは必須の事前飛行計画、飛行手続きなどが不要な面でアドバンテージがある。一方でLSは、スキャナーを人力で置き換えながら計測する手間や、上空からの手軽な計測ができないところが弱点だ。UAVとLSは、現場の状況に合わせて最適なものを選びたい。

建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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