【挑戦! i-Construction⑲】いざ3次元出来形管理 電子成果品の中身とは?


 前回、写真測量ソフトで点群データを生成、点群処理ソフトのTREND-POINTで、点群データのフィルタリングと現況データ、計測点群データを作成した。今回は連載の12回から15回で作成した「3次元設計データ」との関連性を見てみよう。
 TREND-POINTは、現場の現況の点群データに、EX-TREND武蔵で作った3次元設計データを重ねられる。現況と設計を比べれば、切土すべきか盛土すべきかの判断ができる。起工時には、このデータから現地のどの場所の土を動かすと一番効率がよいかが分かるうえ、実際に測ったデータなので差分土量もすぐに計算できるということになる。
 土量だけでなく、出来形管理も可能だ。現場内の任意の位置で工事断面を切り出せる。定期的にUAVで現場を写真撮影し、現況を更新していけば、施工管理にも役立つ。ここがi-Constructionの大きな導入効果の一つだ。
 また出来高の部分払いにおいても、こうしたデータは活躍する。
 15の基準類の12番目の「部分払いにおける出来高取扱方法(案)」では、要領に従ったICT重機の施工履歴データや、UAV、レーザースキャナ(LS)で概略数量を算出した場合には、算出数量の9割を出来高数量にできるとしている。

◇ヒートマップでの管理

 出来形管理の監督・検査要領には「出来形管理図表の確認」「電子成果品の確認」という項目がある。出来形管理図表については、「ヒートマップ」を使った出来形合否判定総括表が導入される。これについては、9月に福井コンピュータを始め、他のソフトウエアベンダーからも対応製品が発売される予定だ。
 ヒートマップはUAVを使って、平場、天端、法面のすべての出来形計測を行う個所で、10cmメッシュに1点以上の出来形座標値を取得し、データの間引きやグリッドデータ化で1㎡当たり1点以上の出来形評価用データを作成して出来形評価を行う。規格値に比べて異なっているメッシュを色分けして表示する(法肩、法尻からプラスマイナス5cmは評価から外す)。
 これまでの出来形管理は、断面という線の評価だったが、ICT活用工事では面での評価になったといえる。



◇電子成果品の中身


 要領には、提出すべき電子成果品が7つ列挙されている。これを解説していこう。「(1)3次元設計データ」は、文字どおりTINによる設計データファイル。「(2)出来形管理資料」は、さきほどの出来形管理図表のことで、PDFかビューワー付きの3次元データを用意する。「(3)UAVで撮影したデジタル写真」は、実際にUAVで撮影したJPGファイルをすべて提出する。
 「(4)UAVによる計測点群データ」は、データを処理する前のオリジナルな点群データのことで、ポイントファイル形式で用意する。
 「(5)UAVによる出来形計測データ」は、数量算出に使うもので計測点群データを加工して不要点を削除したもの。10cmメッシュに1点以上の点が必要。TINデータを作成して提出する。「(6)UAVによる出来形評価用データ」は、出来形管理帳票(ヒートマップ)作成に利用した点群データを出来形評価用データと呼び、このデータをCSVなどのポイントファイルで提出する。
 最後は「(7)工事基準点および標定点データ」で、TSなどで計測した座標をポイントファイルで提出する。UAVで撮影する時に、計測結果を現場座標系へ変換するために必要で、パイロットにもある程度の測量知識が必要となる。

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