【挑戦! i-Construction29】ICT活用工事へのLS導入 写真測量ではない出来形管理方法



 ICT活用工事で必要な3次元起工測量と出来形管理といえば、空中写真測量を採用するケースが多い。UAVなどを使って空中から写真を撮影し、パノラマ写真から3次元の点群を生成するのが空中写真測量の原理だ。
 また3次元測量のもう一つの方法としては、レーザースキャナー(LS)を使用する方法がある。こちらは「レーザースキャナーを用いた出来形管理」の要領案で規定されているが、この原理は、レーザー光を計測対象に照射して、反射光の距離と角度をつかって3次元座標を計測する。
 レーザーは、トータルステーション(TS)でも使用しているが、そのほか地上形レーザースキャナー、モービルマッピングシステム(MMS)、航空レーザー測量などに応用されている。
 地上形LSは、レーザーを水平・垂直方向に360度回転して照射するので、スキャナーの全周にわたって座標を取得できる。ただスキャナーの設置位置が基準になるので、広い現場を計測する場合は本体を盛り変えて計測し、後で座標を合わせながら点群を結合(レジストレーション)する必要がある。
 LSでは、計測機が地表に固定されているが、空中写真測量は、UAV等を使うため計測機自体が動く。LSの利点としては、固定された座標から距離と角度を実測するという点で、写真測量よりも正確性が高いといえる。

◇必要な機器

LSによる出来形管理の流れ

 LSの出来形管理要領で必要とされている機器構成は、LS本体、点群処理ソフトウェア、3次元設計データ作成ソフト、出来形帳票作成ソフト、出来形算出ソフトとされている。
 LS本体は、測定精度がプラスマイナス20mm以内、点群に色データがあること、精度管理に関する資料も提出が必要だ。
 具体的なソフトについては、点群処理ソフトウェア、出来形帳票作成ソフト、出来形算出ソフトは、福井コンピュータの例では「TREND-POINT」が該当する。このソフトではバージョン4から、帳票作成機能がついた。ほかのメーカーでは、「Trimble RealWorks」(ニコン・トリンブル)、「Image MASTER UAS」(トプコン)などが発売されている。
 一方で3次元設計データ作成ソフトは、EX-TREND武蔵(福井コンピュータ)、Buisiness Center(ニコン・トリンブル)、3D-Office(トプコン)などがある。

◇監督検査での留意点

標定点の例

 レーザースキャナーを用いた出来形管理の監督・検査要領(土工編)は、監督、検査職員向けの規定を解説しているが、管理の流れとして施工計画段階での3次元化の指示、施工者が作成した3次元設計データの確認、出来形数量算出結果の確認、出来形計測状況の把握、書面・実地検査などが、要領のポイントになっている。
 従来からのTS出来形管理と異なるのは、(1)工事基準点だけでなく「標定点」の測量結果(2)3次元データ設計のチェックシート(3)精度確認試験結果報告書(4)LS用の出来形管理図表をそれぞれ確認する点だ。加えて、実地検査の際にTSを使って3次元の設計面と実測値の標高差が規格値に収まっているかを検査する。

建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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