【挑戦! i-Construction31】LSを搭載したUAVも登場! アミューズワンセルフの「TDOT」



 UAVの軽快な測量スピードとレーザースキャナー(LS)の詳細な点群取得を組み合わせた「LS搭載型UAV」が登場した。UAVメーカーで3次元計測・処理も行うアミューズワンセルフ(本社・大阪市中央区、佐野一栄社長)は、UAVにレーザースキャナーと慣性計測装置(IMU)を搭載した「TDOT」を開発、実用化している。このシステムは、1m程度の大きさの8枚ローターUAVに、1秒当たり4万点をスキャン可能なLSを搭載し、空中から自動飛行で地上を計測する。
直径1m程度のUAV下部にLSを搭載している


◇計測の流れ

 具体的な計測手順を見てみる。同社が開発している飛行計画ソフト「フライトプランビルダー」は、全国の航空写真データと国土地理院が提供している「DEM」と呼ばれる数値標高モデルを内蔵しており、計測する現場の範囲を地図上で範囲設定すれば地表面からの高さに応じた飛行プランを出力する。
 また飛行中もリアルタイムに、UAVの位置や速度、バッテリー残量を把握して、安全な飛行とスキャンを実現する。
フライトプランを自動作成する

 計測が完了したら、搭載したLSに差し込んでおいたUSBメモリーを抜き、PCに挿入するだけで、プレ解析を行い、リアルタイムに点群データを表示する。
 メモリーには、機体のGNSSアンテナから単独測位で取得した飛行中の自機位置と時間が、ヨー、ロール、ピッチの誤差などを計算して記録されており、現場近くの電子基準点のデータと付き合わせて後処理で精密な自機位置と姿勢を解析、点群の座標を厳密に確定する。

◇空中LS測量のメリット

 空中LS測量は写真測量と比べて、現場に生えている植生の影響を受けにくい。写真では樹木や草の表面しか点群化できないが、LSが発射するレーザーは葉の間を抜けるものもあり、横断方向に切った時に地表面のデータも取得できる。
 また風のある時に撮影した写真では、ステレオ化した時に次の写真と草などの位置が変わるため、点群生成ソフトがエラーを起こすことがあるが、レーザーでは風の影響を受けない。点群処理時に樹木フィルタリングをかければ、樹木が茂っていてもある程度の地表面が現れてくる。
詳細な点群データが得られている


◇冗長性

 高価なLSを空中に飛ばすためには、UAVを絶対に落とさないことが必要だ。そのため同社のUAVには、多くの冗長性手段が施されている。
 UAVのメイン基盤を2重化し、飛行中に基盤が損傷してもサブ基盤に切り替わり飛行を継続する。またローターを8枚にしたことで、4枚や6枚のものに比べて、1つのモーターが故障しても安全に戻ってくる。またバッテリーも並列で接続しており、1つが消耗しても電源供給を続ける。
 UAVの運搬についても設計を作り込んでおり、工具なしで折りたたみ、組み立てが可能だ。飛行時は縦横1m程度の大きさだが、折りたたむと幅40、奥行き93、高さ32cmのケースに収まり、山道でも背負って運ぶことができる。
 工具なしの組み立てにより、マニュアル飛行なら5分、自動飛行などの準備を入れても約15分というスピードで準備が完了する。
折りたたむとコンパクトに収納できる


建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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