【挑戦! i-Construction32】LS2台、GNSS、IMUをバックパックに! ライカの「Pegasus:Backpack」


 点群での現況・出来形計測に、新たなガジェットが登場した。ライカジオシステムズ(本社・東京都文京区、日比孝典社長)が日本市場に投入したのは「Pegasus:Backpack」(ペガサス:バックパック)。人が背負うバックパックに、2台のレーザースキャナー(LS)、3周波GNSSアンテナ、慣性計測装置(イナーシャル・ミュージャメント・ユニット、IMU)、5台のカメラなどを詰め込んだ。
 ペガサスは、一見すると大きめのバックパックだ。上部にGNSSアンテナ、その下に1秒当たり60万発のLiDARスキャナーが2基、4メガピクセルのパノラマカメラ5基、IMUなどが搭載されている。
 このパックを人が背負って歩くと、半径約50mの周囲を連続的に点群計測する。特徴的なのは、地上形LSのように固定せず連続的に計測できることだ。データは相対的に取得するが、絶対的な座標と多様な解析を使って結びつけていく。

◇多様な点群解析

 ペガサスで取得した点群データは基本的に、GNSSの位置情報を後処理によるキネマティック解析で位置情報を確定するが、さらに2段階の解析機能を持っている。
 衛星信号が受信できない屋内などの場所でも、内蔵したIMUで姿勢角と移動距離を求めている。その情報を、SLAM(サイマルティニアス・ロケーション・アンド・マッピング、後方交会法による自己位置軌跡解析)と呼ばれる解析手法を使い、IMUジャイロ独特のドリフトによる誤差累積を補正する。その後、移動しながら取得した複数の点群テータをさらにマッチングさせて、点群の位置情報を合わせる。
 この機能によって、現場でGNSSの信号がとれない構造物の下や、トンネルの中まで、一貫した点群データが取得できる。
 i-Conでは、現況測量や出来形計測に大きな力を発揮する。測量者自身が徒歩で移動しながら計測できるので、地上LSのように盛り変えが必要ない。またLSのように遠方で放射状に点群密度が減少せず均質な点群が得られ、標定点やターゲットも不要だ。人が歩ければ狭い場所でも計測できる。
屋内で取得した生のデータ
点群マッチングで補正したデータ



◇現場でのフロー

 実際の計測フローを見てみる。現場に持ち込んだペガサスの電源を入れると約10分間かけてGNSSとIMUのキャリブレーションを行う。このとき事前に現地の水準がわかっている基準点など標高のローカライズ点を1点設置する。
 その後ペガサスを背負って、出来形を測る土構造物の天端、法尻、小段などの平場を均等に2往復する。測定後に10分程度キャブレーションを行う。現地計測は以上だ。
 同社では「ワンマンオペレーションが可能で、1度計測した出来形の不合格部分を修正施工したあとに、簡単に計測し直すことも利点」と話している。
 計測後はPCで、RTK-GNSSの後解析、レーザーと写真の合成処理に2-4時間、TIN(不等三角網)メッシュの生成に30分程度あれば、出来形のデータが完成する。データは、LASやDWG、DXF、DGN、E57などで出力できる。

建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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