【挑戦! i-Construction33】災害でも活躍するICT建機 空輸可能な分解組立型バックホウ


 i-Construction施策の中核でもある情報化施工は、現場の生産性向上以外にも役立っている。関東地方整備局の関東技術事務所では、地震や水害などで発生する道路寸断の復旧作業に「分解組立型バックホウ」を投入している。
 この油圧ショベルは14のパーツに分割して、交通断絶地区にヘリコプターで空輸が可能だ。また3次元マシンガイダンス(MG)システムと、遠隔操縦・映像伝送システムも搭載し、災害現場での安全な無人復旧作業を可能にする。
 関東技術事務所では、点検も兼ねて分解・組立訓練を展開している。今回同事務所の協力を得て、分解のプロセスを取材した。


◇全国の地整に配備

 この分解・組立型バックホウと、遠隔操縦バックホウは、全国の地方整備局に配備されている。
 北海道開発局から九州地方整備局までのすべての地整にそれぞれ1台から3台が配備されており、全国で16台が保有されている。ことし発生した熊本地震では、九州、四国、中国、近畿、中部、北陸の各地整から合計10台のマシンが現地に集結した。
 関東地方整備局は、分解・組立型バックホウ(遠隔操縦あり)1台と、遠隔操縦型1台を保有している。今回リポートする分解・組立型は、バケット容量が1m3、機体総重量は約25tだ。
 これらの機体は、2014年11月22日に発生した長野県北部地震の時に、白馬村北城で発生した土砂崩れの現場に出動した。地震発生の3日後に、千葉県船橋市の船橋防災センターから、テックフォース2名とともに陸路で出発、320kgを輸送して、翌日から復旧作業に携わった。
長野県で災害復旧に活躍したバックホウ(関東地整パンフレットより)



◇分解・組立作業

 実際にバックホウをヘリコプターで空輸するには、3t級か6t級吊り能力のヘリコプターが使われる。油圧ショベルは、6t級吊りの場合は8ユニット、3t級吊りの場合は14ユニットに分割される。取材時は14ユニットに分割した。
 分解には移動式クレーンを使用する。分解には25m四方の用地が必要で、事前に分解後の置き位置をマーキングしておく。
 分解作業はまず、トラックリンク(履帯)を切り離す位置に機体を駐機し、エンジンカバーなどのカバー類を取り外す。また角度センサーやキャブ上のカメラ類も外す。
 次にアーム、ブームを取り外して仮置き、後部のウエート(おもり)を外す。ウエートは上下に2分割できる特別仕様だ。
エンジンマウントを取り外す

 エンジンマウントを取り外すための専用治具を取り付け、いよいよエンジンマウントを吊り上げて外す。次に右側のフレーム、キャブ、旋回装置、センターフレーム、履帯の左右、トラックの左右を外していく。
 機体は最終的に13のパーツに分けられ、付属品をまとめて収納するボックスと合わせて14分割される。
 今回の作業では完全な分解まで2日、整備、組み立ては4日間で行ったが、出動本番では分解に2日、現地での組み立てを2、3日で完了する。現地組み立ての際は、ヘリコプターで空輸可能な小型カニクレーン2基で作業するという。
 応急復旧で力を発揮するこのICT建機は、日常の地道な保守によって生かされていく。
かなり解体作業がすすんだバックホウ


建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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