【挑戦! i-Construction34】すくえる・つかめるICTショベル ライカの「チルトローテーター」


 ライカジオシステムズが、バケットを傾けたり回転したりできる油圧ショベル用アタッチメント「チルトローテーター」に、3次元マシンガイダンス(MG)システムを現場初導入した。
 チルトローテーターは、欧州ではよく使われているアタッチメントだが、日本ではあまり普及していない。
 今回導入した油圧ショベルは、コベルコ建機の「SK135SRD」に、OQチルトローテーターで、ライカジオシステムズの3DMGシステム「iXE3」を取り付けた。今回初導入したのは、宮城県にある常磐自動車道のスマートインターチェンジ工事だ。



◇物をすくう

 チルトローテーターは、バケットを回転できるため、前方に向けると建機前方への土砂運搬量が格段に増える。また「物をすくう」動作もできるようになる。
 一方、チルト機能は建機本体が法面に正対していなくても、バケットの角度を変えて並行を保つことができる。バケット角を合わせるために機体を動かす必要もないので、燃費も向上する。
 キャビンのコントロールボックスには、設計面と建機本体、バケットが3次元モデルで表示されており、バケットにチルトやローテーションをかけると、黄色い線で軸の方向も表される。オペレーターは、その表示で設計面にきちんとバケットが当てられているかを確認する。

設計面と建機本体、バケットを3次元モデルで表示

◇つかむ、積み込む

 チルトローテーターにはオプションで「カニヅメ」を付けることもできる。カニヅメは、ものをつかめるアタッチメントだ。導入現場では、古いU字溝をつかんで、トラックに積み込む作業も行っている。
 クレーン仕様の油圧ショベルでも、実際にものを吊る時には玉掛け人員が必要で、玉掛け作業の間はオペレーターに待ち時間も生じる。またバケット付近に人が近づくことで事故の心配の起こる。
 「すくう」ローテーターと「つかむ」カニヅメがあると、油圧ショベルが運搬機としても使えるようになる。オペレーターも「つかむ、すくうというちょっとした機能がとても便利だ」と話す。
 操作は複雑に見えるが、右レバーのスライドボタンがチルト、左レバーのスライドが回転となり、親指だけで操作できる。

カニヅメでU字溝をつかんでトラックに乗せる

◇2Dで追っかけ施工

 3DMGシステムの特徴は設計面に合わせた切り出しが可能な点だ。丁張りはいらない。
 この現場では、3Dに比べて安価な2次元マシンガイダンスシステム(2DMG)の油圧ショベルも2台動いている。これらは、3DMGのマシンが設計データに従って付けた切り出し位置を追いかけて施工する。
 設計データを持たない2DMGは、切り出しの位置と勾配の角度だけ分かれば、手元の画面に施工すべき線が示されるので、丁張りがなくても正確な施工が可能になる。ライカジオシステムズでは「すべてのバックホウが高価な3DMGである必要はない」と話す。

法尻の切り出しにも威力発揮
実際にシステムを使っているオペレーターは「初めてでも使いこなせた。丁張りのある通常施工と比べても、法面に上がらずに設計が確認できる。切り出しの目安が画面だけでできるため、通常施工の方が2、3倍手間がかかる」と話している。
 今回導入した重機土工会社は、今後システムを搭載した油圧ショベルを増台する予定で、ライカジオシステムズでは「他社からの反響も大きく新たな引き合いも来ている」と今後の浸透に期待する。

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