【挑戦! i-Construction36】UAV写真をクラウドで3D点群出力 国際航業の3次元空間解析サービス

航空測量を手掛けている国際航業は、自分で撮影したUAVやスマホの写真をクラウドにアップロードすると、短時間で3次元測量データとして受け取れる「3次元空間解析クラウドサービス(KKC-3D)」を展開している。
 このサービスは、昨年3月に国土交通省国土地理院が整備した「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」に準拠しており、同社が長年航空測量分野で培ってきた写真測量技術をもとに、i-Constructionへの対応を行っている。



◇クラウドサービス

 クラウドサービスは、同社が主催するドローン運航・3次元計測スクールを受講した人を対象にサービスを提供する。スクールでUAV運航に必要な知識と技能を習得し、3次元計測のカリキュラム課程を経たことを前提にサービスを使ってもらう。

 クラウドサービスは、基本的な知識を持っている人が現場で撮影した空中写真を標定点、基準点の座標データとともにサーバにアップロードすると、サーバ内で解析して3次元設計データを生成後にユーザーに通知し、3次元点群、デジタルサーフェスモデル(DSM)、デジタルオルソ(正射投影)画像をダウンロードできるサービスだ。

 サービスは、ベーシック、アドバンスド、エキスパートの3種に分かれており、国際航業のノウハウを生かしたデータ作成が可能となる。ベーシックは写真だけでのデータ作成で、アドバンスドからは基準点座標に対応する。エキスパートは、「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」に準拠しており、同社の専門家がアドバイスも行ってi-Con対応を行う。

 処理速度については、2haの現場で総量が2ギガ程度の写真を処理した場合、アップロードに30分、処理に約3時間でデータを作成する。24時間、365日対応できるのもメリットだ。料金の目安は、エキスパートで1ha当たり1回15万円程度になるという。
写真から生成した点群データ(左)

◇UAVスクール

 同社のスクールは、2016年5月から東京と関西でそれぞれ毎月開いている。定員は10人だが、近く15人まで広げる。

 カリキュラムは全5日間で、日本UAS産業振興協議会(JUIDA)指定の操縦カリキュラム、リスクアセスメントや安全管理まで含めた「安全運航管理者」カリキュラム、また国際航業独自の計測技術概論とフライトプランの作成実習や計測作業実習までを学ぶことができる。修了者は、JUIDA発行の操縦技能証明書・安全運航管理者証明書などが取得できるのもメリットといえる。

 「カメラのキャリブレーションや実施記録、標定点などの測量精度管理表といった様式についても講習を行っている」と村木広和ドローン事業部センシング技術担当部長は話す。昨年は50を超える団体が受講した。

◇測量分野がカギ

 村木氏は「i-Constructionのキーは、測量分野が握っている」と話す。
 i-Conの現状は、測量を担当する会社と施工を担当する会社が別々に取り組む形が多い。施工会社は、不慣れな基準点測量や3次元データ作成にとまどう社も多く、地元の測量会社は今後の自分たちの仕事の行く末に不安を抱いているところもある。

 こうした状況で、航空測量を長年手掛けてきた同社の経験は、空中写真測量の正確さにも現れている。測量結果に満足でき妥当性がある機材選定、キャリブレーション、点の重み付けなど、測量側だからできることは多い。

 「われわれがつくる地図は“公図"。公でない地図は“絵"に過ぎない」。このクラウドとスクールという取り組みは、同社の測量への矜持の一端でもある。


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