【挑戦! i-Construction37】自分で工夫、オペ3人のICT土工 段取り調整で高価な建機をフル活用


 茨城県潮来市の県発注工事の現場で、地域建設業が自ら進めるICT土工が展開されている。現場は、掘削工1万1700m3、路体盛土工1万2200m3という規模の道路新設工事。現在3次元マシンコントロール(3DMC)油圧ショベル1台、3DMCブルドーザー1台、クローラーダンプ1台と、転圧管理システム付きのブル1台で施工が進む。通常は手元作業員を含めて6、7人で施工する規模だが、この現場は3人だけで施工している。



◇能力高いブルに合わせる

 「施工管理担当が電卓すら持っていません。出来高数量で2割は稼げています」と話すのは、工事を担当する地域建設業の水郷建設(潮来市、茂木陽子社長)でICT担当をしている茂木秀敏さん。

 この現場では、コマツのスマートコンストラクションシステムを使って施工しているが、管理は事務所のPCやタブレットで、数量確認、断面、高さ、出来形を確認する。

 工事は、4段になっていた田んぼの敷地に、本線とランプ2本が合流するような形で施工する。縦断曲線(VC)も入っており、通常の施工では丁張が大量に必要となる現場だ。普通なら手元作業員が2、3人必要になる。

 また施工も、現場北西上部の掘削部で1mの層ごとに、油圧ショベルで石灰改良を行い、南東下部の盛土部へクローラーダンプで運搬、ブルで敷き均し、転圧という順序で行う。

◇25層分のデータを事前作成

 施工は、一番施工能力が高いブル(D37PX-i)を出来高基準にして、25層分の施工面データをあらかじめ作成、オペレーターが当日の施工予定に合わせて建機のキャビンで設計データを選び、敷き均しを行っているという。転圧管理も1つのデータで対応する。

 「工事当初に、施工順序を組み立てながら、完全3次元でデータ作成をお願いした。データは、撒き出しも含めて3次元に輪切りにした」と茂木さんは話す。

 盛土部を3次元設計データで敷き均しする時に、一番簡単なのは完成型の設計データから1層分ずつ高さをオフセットして施工する方法もあるが、この現場では「コマツと何度も打ち合わせて、現場すべてを施工段階に合わせて詳細に作成してもらった」という。
UAVで撮影した現場
写真測量から着工前の現況点群を生成
3次元設計データ
現況と設計を重ねる
ICT担当の茂木さん

 オペレーターは「もう従来の工法には戻れない」「法面の整形も、3DMCを使って若手の作業員が切った」と話す。夕方の作業終了時には、タブレットを使ってその日の作業をチェックする。「施工数量が目に見える形で現れるので、翌日の施工目標も立てやすい」のだという。水郷建設は、オペレーターも直接雇用だ。

 水郷建設が手がけてきたICT土工は、ここで3現場目となる。県発注の現場だけでなく、国の直轄工事でも活用した。茂木さんは「当社は工事を早く終わらせるのがポリシー。ICT建機が空いている時間を作らず、工程や段取りを自分で調整して上手く使うことが面白い。新しい物を取り入れて、地域に貢献する」と闘志を燃やす。

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