【北陸のICT活用②】クラウドサービスを有効利用 リアルタイムで出来形管理


 ICT(情報通信技術)活用工事は建設生産プロセスの(1)3次元起工測量(2)3次元設計データ作成(3)ICT建機による施工(4)3次元出来形管理などの施工管理(5)3次元データの納品--の5段階すべてを求め、その旨を特記仕様書などに明示している。北陸地方整備局などが開いているICT土工の現場見学会で参加者の注目を集めていたのは3次元計測と設計図面の3次元化だった。施工会社としてこれまでほとんど経験がないからだ。



・3次元設計データは自社で

 石川県輪島市と富山県砺波市を結ぶ能越自動車道(国道470号)。現在、起点側の輪島インターチェンジ(IC)から能登空港ICまでの延長11.5㎞(輪島道路)の整備が進められている。北陸整備局金沢河川国道事務所は、この区間内の工事を2016年度、施工者希望II型のICT土工として発注した。

 その1つ、「H28能越道のと里山空港IC改良工事」を施工している南建設(本社・石川県志賀町)は、情報化施工で豊富な実績を持つ。ICT建機を4台保有。同工事の森茂寿現場代理人は、「初期投資はかかっても(必要なものは)率先して取り入れていく」のがICTに対する同社のスタンスだと説明する。

 これまでのノウハウを生かし、ICTの活用はほとんどが自社で行うことを基本にしているという。空港に近いことや精度を考慮してレーザースキャナ(LS)を採用した起工測量は、スキャニングをシーティーエス(長野県上田市)に外注したが、点群データの処理やその後の3次元設計データ作成も、福井コンピュータのソフトを使って自社でこなした。施工はマシンコントロール(MC)のバックホウ。森代理人は「熟練のオペレーターと同様の成果が得られるため、高齢化対応の意味が大きい。手元作業員も不要なので省人化効果もある」と評価する。

・いいところを利用する

 しかし、この現場で最大のメリットは、「日々簡単に出来形管理ができる、コマツのクラウドサービスを使っていることだ」と強調する。主要工種である道路土工は、掘削土砂1万3300m3を近隣工区に運搬することになっており、その土量を測量することなく、クラウドを通じて毎日確認できるからだ。

 同じく輪島道路の、「H28能越道長沢道路その5工事」を施工している宮地組(石川県輪島市)の水谷正年現場代理人も同様の利便性を指摘する。同社はニコン・トリンブルのクラウドサービスでリアルタイムに搬出土量を把握している。

 ICT土工が初めての経験だった同社では、起工測量段階から千代田機電(金沢市)に外注した。「ゼロからスタートする場合は信頼できる業者に頼んだほうがいいと思う。ただ、ノウハウを蓄積するために今後は自社で挑戦していく必要があると考えている」と水谷代理人。「丁張り作業が不要で、工程を3週間以上短縮できた」と手応えも感じている。

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