【北陸のICT活用④】サポート役に地元企業 全面外注には安心感も


 2015年度に金沢河川国道事務所から受注したH27手取川舟場島急流河川対策その1工事、同その2工事を施工している吉光組(石川県小松市)も、一連の作業を可能な限り自社で対応するようにしている。起工測量と出来形管理における空中写真測量を建設コンサルタントの国土開発センター(金沢市)に外注したが、点群データの処理や3次元設計データ作成などは内製化した。同社の道勇治専務は「建機の調達以外は、できるだけ地元の企業と組んでいく方針だ」と話す。

・受発注者間の意見交換が重要

 新潟県加茂市の信濃川で展開中の山島新田地区河道掘削工事5カ工区は、全体で掘削土量が20万m3超の大きな現場だ。工区ごとに作業の外注度合いは異なる。発注者指定型だった「その2工事」を施工する福田組は、レーザースキャナーを使った起工測量を地元コンサルのトップライズに発注。設計データは福井コンピュータのソフトを使い自社で作成した。

 建機のマシンガイダンス(MG)バックホウ(キャタピラー)は下請けが調達。「その3工事」の新潟藤田組、「その4工事」の丸運建設はいずれも起工測量と設計データ作成をトップライズに発注。建機も同じく下請企業が調達したコマツ製を使用している。

 福田組の田村誠現場代理人は「経験のないICT(情報通信技術)工事では、問題点を一つひとつ確認しながら進めるために、まず自社で取り組んでみなければならないと思う」と指摘する。これまでのプロセスを振り返り、「(クラウドサービスの利用などで)パソコン内に現場があるのと同じ状態。工程管理の精度が上がり、生産性向上につながっている」とする一方、今回の現場に出来形計測のできない水中部の掘削が含まれていることなどを挙げ、「現場ごとの問題点改善のため受発注者間で意見交換がいっそう重要になる」と提言する。

・日々わかる土量に安心感

 新潟藤田組の鈴木忠行現場代理人は、起工測量にかかる日数が大幅に短縮されたことに加え、丁張り設置が不要になったことによるコストと時間の削減効果を実感したという。丸運建設の栃倉隆昭現場代理人もICTの省力化効果を指摘し、特に「クラウドサービスで土量が日々分かるのがいい」という。

 一方、「その5工事」の坂詰組と「その6工事」の加賀田組は、コマツレンタルに起工測量からの一連作業を外注。坂詰組の伊藤慶昭現場代理人は「社内にノウハウを蓄積するという意味では、起工測量や設計データ作成など各フェーズの部分的外注や内製化はメリットがある。ただ、外注先(下請け)がフェーズごとに変わっていくと、施工中に支障が生じた場合、責任の所在が不明瞭になる。一気通貫でサポートを受けることでその心配がなくなる」と説明する。

 情報化施工では豊富な実績を持つ加賀田組の平田順弥現場代理人は「一気通貫で全面サポートを受けるのは安心感があるといえる。ただ、すべて外注した場合、データの修正が発生した場合、迅速に対応するのが難しい」と話す。

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