【北陸のICT活用①】現実的対応を模索 生き残りへ変化に適応


 建設現場の生産性向上を旗印にしたi-Construction(アイ・コンストラクション)の推進を、石井啓一国土交通相が打ち出してから1年余。その中心施策であるICT(情報通信技術)の活用(ICT土工)は2016年12月現在、既に全地方整備局で1000件、北陸整備局でも50件を超える工事が公告済みだ。急加速ともいえる施策展開に当初、戸惑いや懸念の声が挙がっていた地域建設業だが、ここにきて「現実的な対応」を模索する動きが出始めている。



・やらざるを得ない

 「この勢いを見れば、(ICTを)やらざるを得ないでしょう」。整備局などが頻繁に開くICTの講習会や実地研修会、毎日のように専門紙に踊るICTの見出しを横目に富山県内の経営者が苦笑する。昨年の春ごろは、建設機械や測量機器、ソフトなどへの新規投資と対応技術者育成のことを考えるとICT活用工事の受注は「現実的でない」と判断したという。

 「直轄工事は年に1本受注できるかどうか。そんな状態でICT対応の投資はできない。自治体がすぐ(ICT化に)追随するとも思えない」。しかし、先行してICT土工を施工している企業の現場見学などを通じて情報収集する中で、起工測量から納品まで一気通貫でICTを完全活用するといった、それまでの定型的なイメージが払しょくされた。「予想外にケース・バイ・ケースで取り組んでいて、その背後にはいろんなサポートの存在があることが分かった」という。

・ドローンだけではない

 例えば、起工測量については当初、ドローンなどのUAV(無人航空機)を使用するイメージが一般的だったが、北陸での今年度実績を見ると3次元レーザースキャナーも4割以上を占めている。
 北陸整備局の調べによると、2016年度のICT活用工事は昨年12月現在で既契約分を含め30件。そのうち3次元起工測量を外部に発注(下請け)したのは約6割、逆に自社で実施したのは1社のみで、残り約3割は外部の専門業者による何らかのサポートを受けて行っている。

 3次元設計データの作成では、半数が外注(下請け)に出し、残りは「自社」「サポート付き」が半々。3次元出来形管理も半分が外注だ。
 起工測量、データ作成、出来形管理の3フェーズいずれも一般的には従来型施工では経験できないもので、工事全30件のうち、3フェーズすべて下請けに発注した企業は半分に上り、すべて自社で行ったのは1社のみ。この1社は起工測量で自社保有の3次元レーザースキャナーを使用したほか、ICT建機も2台保有しているという。

建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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