【挑戦! I-CONSTRUCTION46】出先事務所初のICT活用工事 荒川下流河川、東建が体験講座


 関東地方整備局の荒川下流河川事務所が初めてのICT活用工事として発注した河川土工の現場で、「ICT土工体験講座」が開かれた。この講座は、関東地整が進めている担い手確保、i-Constructionによる生産性向上の取り組みである「地域インフラサポートプラン関東」の一環で、荒川下流河川事務所と東京建設業協会が共同で開いた。約90人が参加した講座の内容を紹介する。

 この体験講座が行われたのは「H28扇二丁目河岸再生工事」の現場。この現場は、荒川の高水敷を切り下げ、水際のヨシ原や干潟を保全・再生する工事だ。荒川の河川敷を池のように切土掘削して、かごマット工を施した後、再度盛り土と法面整形を行っている。
 掘削工は約1万1000m3で、2月から掘削・切土と法面整形工などを施工している。
ほぼ整形が完了している現場

 この工事は、ICT活用工事として発注され、ドローンによる起工測量、3次元設計データ活用、3次元ICT建機による施工、3次元での出来形管理、3次元データによる完成図書納品を行っている。
 施工はナカノフドー建設が担当しており、監督・検査は、荒川下流河川事務所の岩淵出張所が担当する。

 この現場で活用しているのは、まずUAVを使った3次元起工測量で現況の3次元データを作成し、2次元の設計から3次元設計データを作成、数量計算などを行った。
 そのデータをもとに、コマツ製の3次元マシンコントロール(3DMC)油圧ショベル、PC200iに入力するマシンコントロールデータを作成して1次掘削を行い、その後ICT活用工事の範囲ではない、かごマット工を行い、再び2次掘削、埋め戻しと法面整形工を行っている。
 施工完了後はUAVによる出来形測量とヒートマップによる出来形帳票作成、電子データ納品という流れになる。
河川事務所に集合

 当日は河川事務所のホールに、施工会社や国交省職員らが集まり工事を受注したナカノフドー建設が工事概要を説明、現場のICT機器を提供しているコマツレンタルがICT施工技術のプレゼンテーションを行った後、大型バスで現場に移動した。
 現場では3班に分かれて、(1)UAVによる空中写真測量(2)ICT建機による法面整形とすきとり(3)GNSSローバーによる工事基準点の測量--をそれぞれ体験した。
 UAV写真測量では、実際にドローンを飛ばして写真を撮影し、その写真から3次元の点群データを生成する様子を見学、ICT建機の班は、3次元設計データを搭載した建機を自分で操作し、半自動制御による法面掘削を体験した。
 またGNSSローバーの展示では、実際の工事基準点を衛星測位して平面直角座標を出したり、LSを利用して現況を点群撮影する様子も体験した。
国の職員も多数参加した

 施工を担当したナカノフドー建設の所長は「今までと比べて3分の1程度の人員で施工ができる。油圧ショベルは、丁張り施工では出来形の確認や手待ちの時間があり、通常は7割程度の稼働になってしまうが、今はフルに掘削できるので、これまでの1.5倍の施工スピードが確保できた」と話す。
 一方で、発注者の国交省職員は、「荒川下流河川事務所を始め、都内の現場はなかなかICT活用工事が少ないのが現状だ。ICT活用工事は、従来の監督検査手法とは大きく異なるため、検査も従来との違いを確かめながら進めている」と話している。

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