【挑戦! I-CONSTRUCTION51】TSとレーザースキャナの垣根とは? 舗装出来形など必要性増すTLSに新商品

ことし3月末、新たに国土交通省は「地上型レーザースキャナーを用いた出来形管理要領(舗装工事編)(案)」「TSを用いた出来形管理要領(舗装工事編)」を公表した。地上型のレーザースキャナー(TLS)は、土工の起工測量や出来形以外に、舗装工事の出来形管理にも利用が認められることになった。
 国交省では巻尺、レベル、TSを使った計測に比べ、TLSは(1)計測の準備作業が軽減でき、計測時間も短いため測量作業が大幅に効率化する(2)計測結果を3次元CADで処理すれば、鳥瞰図や縦横断図などの必要データを抽出できる--ことが利点だとしている。



◇TSとTLSを合体

 ニコン・トリンブルは、こうしたTLSのニーズ増大に応え、TSとTLS両方の機能を持つ「SX10」を発売した。これは1級相当(測角精度1秒、測距精度1mm)のトータルステーションに1.5mmという高精度の3次元スキャン機能を付加したものだ。
 スキャン速度は、3次元専用TLSのスキャン速度が秒間50万点から100万点程度あることに比べ、2万6600点と速度は低いが、通常はTSとして現場で活用し、起工時や出来高、出来形などの際にTLSとして利用できることが最大の利点だ。
 3次元専用TLSは、非常に高価であるにもかかわらず、現場での稼働率はそれほど高くない。また通常の測量機器とは異なるため、扱える人材を育てることも必要だ。千万円単位という投資を回収するには時間もかかる。一方で、SX10は価格も手頃で、日常はTSとして利用するならば、倉庫にしまいっぱなしということもない。一般測量と3次元計測を両立させた製品だ。
実際にスキャンした点群。ミリオーダーの段差も表現されている

◇i-Conの現場でテスト

 同社は、実際のICT土工の現場でSX10の起工測量を行った。100×500mの山間地の現場を、約6時間でスキャンしたという。実際の工事基準点を使ってスキャンを行ったが、工事基準点だけではスキャン範囲をカバーできなかった。
 そこで、新点を設置する必要があったが、もともとTSであるSX10を後方公会法で設置した。TSのステーションセットアップ機能を使い、自機座標も確定する。スフィアボールなどの合成用ターゲットが不要となり、1台だけで現場の起工測量が完了した。
 SX10には視準用の接眼レンズがない。大型のタブレットで視準・制御・データ収集を行う。広角、標準、望遠の3つのカメラが搭載されており、視準軸が合致されている。
 観測時にはディスプレーにその映像とレチクルが映し出されるので、測量したい場所をタップするだけで観測できる。
制御は、タブレットで行う

 3次元計測では、ディスプレー上で法面などのスキャンエリアを選択すれば、不要なエリアの点群を取得しないので後処理も楽になる。最大スキャン距離は600mなので、橋梁などの構造物も計測可能になる。
 取得した点群は、通常トリンブルの点群処理ソフト「RealWorks(リアルワークス)」で編集するが、実は同社の施工管理支援ソフト「Business Center(ビジネスセンター)」でも処理できる。ビジネスセンターは、ステーションセットアップ機能から複数の点群データを自動合成してくれる。色付け、点群間引きなども可能だ。

建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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