【挑戦! I-CONSTRUCTION66】点群のフィルタリング 「実践ICT土工」⑤

前回は、点群を選択して削除する方法を紹介したが、今回は「フィルタリング」で点群を処理してみる。
 フィルタリングにはさまざまな手法があるが、1つずつ解説する。まずは「均等間引きフィルタリング」だが、これはデータサイズを軽くするために行う。
 点群処理したデータは、最終的に点と点を結んだTINで面を作り、LandXML形式で出力する。起工測量データは面として扱い、3次元設計データと比較して土量計算や施工計画に反映するためだ。

 あまり細かい点群でTINを生成してしまうと、データサイズが大きくなりPCの処理も遅くなる。必要最低限の点群を残すのがコツだ。そのために間引きを行う。
 次に「密度フィルタリング」がある。これはレーザースキャナー(LS)などで点群取得した場合に、空中に意味のない点が現れることがあるが、こうしたゴミ点(ノイズ)を密度で判断して無効点にするためのものだ。同様の機能に「ノイズフィルタリング」もあるが、こちらは1つの点を中心に球を設定して、その中に一定以上の点が存在しなければ無効点にする。
「近傍点フィルタリング」点ごとに設定した半径で球をつくり、密度が高い場所の点を無効化する
「近傍点フィルタリング」は、密度を調整するための機能で、密集した1点を中心にした球の中にある点を間引いて密度を均一化する。
 ほかに「カラーフィルタリング」といって、RGBの色をもとに除去するフィルターもある。これは、一定の色調を持つ草木を選び出したり、道路の白線だけを抽出するときに使う。
 「格子フィルタリング」は、指定した格子の中で最低標高の点以外を除去し地表面を残す方法で、草が生えた場所から地表面だけを取り出す時に使う。UAVで撮影した写真から生成した点群だと、草の下の地表面がなかなか点群化できないため、写真測量には向いていないが、UAVに搭載したLSで取得した点群には、草木の間を通過した地表面の点群が残るため、このフィルタリングが有効だ。

◇地表面のフィルタリング

「地表面フィルタリング」下から円柱を転がして接した点を地表面と認識する
UAVによる写真測量の場合、夏場などには多くの草や木の葉が写真に写り込んでしまう。伐開せずに撮影した写真から点群生成すると、地表面がもとの高さよりも高く出てしまい、施工数量の算出などに影響が出てしまう。
 「地表面フィルタリング」は、極力草木を除去して地表面を残すフィルタリングとなる。原理は、高さ方向で散らばっている点群のうち、一番低い点を採用して地表面とし、この面から離れている点を無効点にする。
 地表面フィルタリングは、茶筒のような仮想の円筒を点群の下から転がして、それに触れた点群だけを残す手法だ。この方式は、トレンドポイント以外の点群処理ソフトでも採用されている。
 フィルタリングの設定で、仮想の筒の半径(長さ)、幅、許容厚みの3点をパラメータとして設定する。デフォルトでは幅10cm、半径1m、厚み3cmという値が設定されており、地形や現場の状況に合わせて調整していく。この調整も、複数の現場や位置で試してみて設定を変えていくことが必要だ。これもICT土工の経験を重ねることで自社にノウハウが蓄積されていく。(田中一博)

建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

0 コメント:

コメントを投稿