【挑戦! I-CONSTRUCTION69】日本CATが新計測手法を研究中 トラックローダーで現況測量

前回に引き続き「実践ICT土工」をお休みし、日本キャタピラーの「コンパクトトラックローダー(259D)」を使った現況測量を取り上げる。このトラックローダーは、全長3.5mほどのコンパクトなデザインの建機で、狭い場所でも施工しやすいのが特徴。同社はこのローダーに360度プリズムを取り付け、トータルステーション(TS)で連続的に座標を観測して、現況測量を行う手法を研究している。先日、秩父にある同社の「D-Tech Center」で、実際の建機を使用した計測実験が行われた。その模様をリポートする。

◇ローダーにプリズム搭載

 同社はこれまでにも、大型のラジコンカーなどにプリズムを取り付けて出来形などを測量する研究を行っているが、今回は履帯付きのローダーでもスムーズに測量できるかを研究した。
大型のラジコンカーなどにプリズムを取り付け計測

 ローダーの乗り降りは前から行う。前面にはバケットが付いており、ブルドーザーのような間隔で操縦する建機だ。
 実験では、ローダーの屋根部分に測量用の360度プリズムをネジ止めし、地表面からの高さを計測する。TSのデータコレクタに高さとプリズム定数を設定し、連続計測モードで、ミラーが2.5m移動するごとに観測する設定を行った。

 試験は、ヤードに5m×15mの試験範囲を決め、あらかじめ後方交会設置したTSを使って、手作業で3次元座標を計測しておく。縦方向に約2.5m、横方向に約1.5mで計測した。これを正解データとして記録する。
 実際に試験範囲をローダーで走行し、正解データに近い間隔で座標を取得した。走行にかかった時間は数分で、手計測による観測よりもはるかに速いスピードで完了した。

◇計測誤差はプラスマイナス2cm

 走行後には、TSのデータコレクタからCSV形式でデータを取り出し、点群処理ソフトのトレンドポイントで、正解データとローダー計測データを比較検証した。
 まず人力で計測した正解データの測点を点群として読み込ませ、TINメッシュを作成する。次にローダーで計測したデータから同様にTINメッシュを作成し、比較プロジェクトとしてメッシュ比較した。
トレンドポイントで比較した

 トラックで観測したデータと、TSによる計測データは、50cmメッシュ、4点平均標高法で計算し、最大標高差がプラス1cmからマイナス3cmで、プラスマイナス2cmの範囲に収まった。
 同社では、このコンパクトトラックローダーが、小型で小回りが利き公道走行も可能なことから、広範囲な現況測量に活用していく考えだ。(田中一博)

建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

0 コメント:

コメントを投稿