【挑戦! I-CONSTRUCTION70】本当のICT土工発注図から3D設計データを作成 「実践ICT土工」⑦

今回の実践ICT土工では、実際の図面を使って3次元設計データを作成する。発注図面として作成された平面図と横断図を、福井コンピュータ「武蔵」の建設CADにドラッグして読み込ませる。3次元設計データの作成については、以前もこの連載で取り上げているため、サンプルファイルを使用した前回と異なり、実際の図面を扱った時に気をつける点を書いていく。
 CAD発注図面のsfcファイルを開くと、左側にレイヤが多数現れる。これは、電子納品で提出する図面に定められている。
 国交省がとりまとめたCAD製図基準(案)によると、外枠(TTL)、現況地物(BGD)、基準線(BMK)、主構造物線(STR)など、図面に書き込まれている対象によって内容や色が細かく規定されている。
 図面を開いたら、はじめに図面照査を行う。これは座標系や縮尺がきちんとあっているか、設計要素や距離・勾配がきちんとしているかを確認する。
レイヤー構造は決められている



◇設計データ作成

 その後、土工で使用する基準点の座標データを取り込む。次に「3次元設計データ作成」という機能で、平面線形をつくっていく。
 初点に「BP」、終点に「EP」を指定し、単曲線カーブを入力して平面形状を仕上げる。次に縦断要素として、計画高とVCL、Rを与えて縦断形状をつくる。
 最後は、断面図をトレースしていく。今回の土工の形状は高規格道路のランプ部なので断面が非常に複雑だ。断面数は23あり、一番複雑な部分では、構成点がセンターから左右に7つある。
横断図をトレースする

 断面をドラッグで選ぶと、ソフトの方で中心線の距離基準とDL線の高さ基準値を自動的に取得してくれる。同時に測点名、図面縮尺もフォームに取り込んでくれる。入力者はその数値が正しいことを確認して、追加距離を打ち込む。
 この作業で平面と縦断のセンター位置に、各横断図面がプロットされる。また横断形状は、マウスで計画断面の始点と終点を選択すると、ソフトが自動的に法面や道路面、小段などを認識して候補として表示してくれる。
 ここで大切なことは、断面選択時に、必ずDLラインを入れて、高さ情報をわかるようにするとよい。断面のトレース前に、基層や表層を消して、土工の面だけを残しておくと、あとで作業しやすい。

◇修正して書き出し

立体化された土工の3次元データ
すべての断面トレースが終わると、画面の平面図上に立体化された土工の3次元データができあがる。いつもこの瞬間が楽しい。
 このソフトは、断面の3次元座標ができると自動で断面間を接続してくれる。だが、実際の複雑な発注図面を3次元化していると、自動でつながれた変化点がずれることがある。この接続線を手作業で修正する。
自動でつながれた断面間を修正する
修正が終わった
修正作業は簡単で、接続設定というメニューから、結びたい点同士を接続すればよい。また出来形設定というメニューを使えば、道路面、法面、小段、その他と構成要素を指定できるので、「TS出来形管理」にも活用できる。
 完成した設計データは、LandXML形式で出力し、ICT土工の次のフェーズに渡す。GoogleEarth形式で出力すれば、GoogleEarth上の3次元地図で確認も可能だ。
(田中一博)
GoogleEarth上の3次元地図で確認

建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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