【挑戦! I-CONSTRUCTION74】ICT施工を現場全体でマネジメント 国総研が堤防工事で最適化調査

国土交通省はi-Construction推進のために、ICT建機や3次元設計データ、施工機械の稼働状況といった工事にかかわる情報のフル活用について検討を進めている。現場施工時には、敷地や機械台数などでさまざまな制約条件が生じるが、ICTで得られる情報をうまく活用して最適な現場マネジメントを行い、全体で生産性を向上させるのがねらいだ。今回、国土技術政策総合研究所が「ICT施工の工事進捗マネジメントに関する調査整理業務」として、茨城県土浦市の直轄河川工事現場で取り組んでいる事例を紹介する。


◇水郷建設の現場

 現場は、霞ケ浦に面した堤防の波浪対策護岸工事で、水郷建設(潮来市、茂木陽子社長)がICT建機を積極導入して施工している。同社は潮来市でも県発注の道路改良工事にICT建機をフル活用し、稼働履歴を使った運搬の最適化や工程管理で成果を上げた。
 今回の国総研の調査は、この現場でICT建機を導入して現場の作業効率が拡大できるか、構造物と土工を一体で管理できるかなどを検証する。ICT建機を効率的に運用するには、土運搬の体制確保とサイクルタイムの調整が重要で、施工性が上がったICT建機と掘削・盛土の材料を運ぶダンプトラックのマネジメントが現場全体の生産性向上につながる。

◇複雑な作業工程
(1)仮置き土撤去(2)表土はぎ(3)段切り(4)盛土-の順で施工する 

 現場の工程は、まず既存堤防に仮置きされている土を撤去して、下から現れた堤防の表土を剥いで場外搬出し、堤防本体を段切り後、仮置き土や場外から搬入する土で盛土する。
 一方で1日に場内を通行できるダンプトラックは延べ30台程度に限られており、堤防の延長を区切るロット間で、どのようにICT機械やダンプトラックをマネジメントするかが重要になる。
 シミュレーションの際、仮置き土撤去、表土はぎ、段切りの時間処理能力と、運搬、盛土の時間処理能力がパラメータとなる。
この組み合わせの最適値を検討する

 構造物と土工の一体管理としては、堤防に張るブロックの法面部を1つの設計面として進捗を登録すると、1日ごとに施工済みとなった測点で工事進捗が可視化できる。
 業務に参加している日本建設機械施工協会(JCMA)施工技術総合研究所の藤島崇次長は、「i-Constructionを進めていくためには、こうした効果や事例を積み上げて受発注者にICTの効果を知っていただくことが必要」と話している。工事は1月から本格化する。今後、この連載で結果を報告する。(田中一博)

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