【挑戦! I-CONSTRUCTION76】チルトローテータ3DMCで斜めから法面整形 コベルコ建機のホルナビ+


 「油圧ショベルは法面に正対していないと掘れない」。そんな常識を覆すアタッチメントが「チルトローテータ」だ。コベルコ建機が昨年10月に発表したこの建機は、バケットを左右45度まで傾けることができ(チルト)、360度回転(ローテート)させることもできる。用地が狭くて機体が正対できない現場でも、バケットを傾けて斜めから整形作業ができる。今回、このアタッチメントを3次元マシンコントロール(MC)できる機体に搭乗した。


◇バケットが傾き、回る

 今回搭乗させてもらったのは、コベルコ建機の20tクラス油圧ショベルSK200にスウェーデンのengcon社のチルトローテータ、ライカジオシステムズの3DMCシステムを搭載した機体「ホルナビ+PLUS」だ。同社はこのシステムを、13tクラスにも対応している。
 アタッチメントは、バケットの傾きと回転ができるほか、背面に「グラップル」と呼ばれるカニ爪のような装置も付いている。バケットを閉じれば、石やU字溝のような軽いものをつかんで移動できる。
グラップルでものをつかめる
オペレータキャビンにはマシンコントロール用のモニターがあり操作レバーはengcon社の専用コントロールレバーに交換されている。左右レバーの親指部と人差し指部にはスライドスイッチが付いており、右手の親指でバケットのチルト、人差し指でものをつかむ「グラップル」の開閉、左手の親指でバケットの回転を操作する。

 バケットを前方に向ければ、土をすくい上げるような動作も可能だ。
 加えて「クイックヒッチ機能」でアタッチメントをキャビンから簡単に着脱できるほか、国内製の法面バケットも装着可能だ。
キャビンから見たチルトバケット

◇3DMCでチルト制御

 ヤードには、あえて正対させずに30度程度角度を付けた模擬法面があり、その3次元設計データが機体のコントロールボックスに入力されている。実際にバケットを法肩に当てても、通常のバケットなら掘削できない。
 そこでバケットを回転させ、チルト角を合わせると、バケットの爪先が法面に正対する。そこでアームとブーム、バケットの通常の操作を加えると、斜めからでも法面整形ができる。
 ただ、可動軸が非常に多いため、ベテランのオペレーターならば複合操作で掘削できそうだが、素人の記者は操作に手間取った。
このレバーで複合的な操作を行う
そこで3DMCの出番となる。設計データの法肩から約40cm以内に爪先を近づけてから右手中指のボタンを押すと、マシンコントロールが効き始める。自動的にチルト角を制御し始め、設計面どおりに刃先があたるように油圧を調節する。あとはアームとブームを操作すれば、斜めからの法面整形ができる。
 搭乗当日は、コベルコ建機が顧客向けに製品の体験会を実施しており、全国からオペレーターや建設会社の社員が訪れた。
クイックヒッチ機能で、キャビンからバケットを着脱可能だ

 体験した熟練オペレータは「自分が動かなくてもいいので便利」「狭いところでも作業できる」「足元を均す時に有効」などの感想を話していた。
 またコベルコ建機では「実際の現場で、従来の丁張り施工とチルトローテータの3DMC施工を比べた場合、土工工事費が48%削減できた」という。
 チルトローテータアタッチメントは、欧米ではすでに数万台の出荷実績があるという。
(田中一博)

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