【挑戦! i-Construction77】衛星測位のしくみを学ぶ 廉価のGPSモジュールで挑戦


 i-ConstructionのICT土工などで利用されている衛星測位。GNSSローバーなどを使うと、現場の現況や出来形の座標などを手軽に測れるため、最近では広く使われ始めている。ICT土工では、油圧ショベルやブルドーザーなどにGNSSアンテナを搭載して、刃先の座標管理も行われているが、実際にどういう原理で地球上の特定位置をセンチメートルオーダーで測っているのだろうか。
 地球の衛星軌道には、GPS(米国)、GLONASS(ロシア)、BeiDou(中国)、Galileo(欧州)などの測位衛星が高度2万㎞程度の軌道で回っている。日本はQZSS(準天頂衛星)を4機打ち上げており、日本とオーストラリアの上空を8の字を描く軌道で周回している(1機は静止軌道)。
 緯度経度は、地球上の場所をXYで、高さをZで現している。この座標系を「WGS84」と呼んでいる。このXYZという未知数を最低4基の衛星(各衛星からの距離と時計)を使って方程式を解いているのがGNSSによる測位だ。

◇RTKとVRS

 GNSS測位は、大きく分けて「単独測位」「相対測位」「高精度単独測位」の3種類がある。ICT土工の現場でよく使われるのは相対測位だ。相対測位の中でも、RTK(リアルタイムキネマティック)、ネットワーク型RTK(VRS)がよく使われており、RTKは基準局と移動局の2つのアンテナ・受信機を使ってさまざまな衛星信号誤差を修正する補正情報を送る方式。VRSは国土地理院の1300点ある電子基準点の情報から、現場近くに仮想基準点を置いて、インターネット回線などで補正情報を送る方式の違いがある。
 現在、アンテナと受信機は高価なため、1現場でアンテナ・受信機2台を使用するRTK方式と、補正情報配信サービスを購入して1台で運用するVRS方式とをコスト比較して選択することが多い。

◇1700円のモジュール

 さて今回のチャレンジは、スイスのublox社が開発・販売している廉価なGPSモジュールを使って、衛星測位の仕組みを見ていきたい。
 使用するのは同社の「NEO-6M」シリーズというモジュールで、わずか12×16mmの部品と出力基盤、アンテナがセットになったもの。アマゾンで1628円で入手できた。
 基盤にモジュールピンをはんだ付けして、ジャンパーワイヤーとUSBシリアル変換ケーブルでパソコンにつなげるようにした。接続は電源とGND、TX(送信)、RX(受信)の4つの端子だけだ。これでパソコンからは仮想のcomポートとして認識するようになる。
COMポートに流れてくるNMEA情報
早速、モジュールをパソコンにつなげて、信号が送られているかをターミナルソフトを使って確認してみる。TeraTermというフリーソフトを立ち上げ、comポートをのぞいてみると、「$GPGGA」「$GPGSA」などの文字列が送られているのがわかる。これは「NMEA0183フォーマット」というもので、モジュールが衛星から受信した情報をアスキーコードで1秒に1回送っている。
 次回はこのNMEAフォーマットについて解説する。(田中一博)
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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