【挑戦! i-Construction80】補正情報を使い3㎝以内の測位へ いよいよRTKを体験する


 前回まで利用したu-blox社の「NEO-6M」は、単独測位を行うモジュールだった。今回は、i-Constructionでも利用価値があるもう一段上の衛星測位「リアルタイムキネマティック(RTK)」に挑戦してみる。

◇RTK方式とは

 ICT活用工事や情報化施工では、3次元施工機械の測位や、出来形計測などに、RTK方式とネットワーク型RTK方式(VRS)が使われている。
 RTK方式とは、計測時に座標があらかじめ分かっている「基準局」と、建機や計測ローバーとなる「移動局」の2つのアンテナ・受信機を使って、単独測位よりも精密な位置を割り出す方法だ。動かない基準局と、移動局間の正確な相対位置(3次元ベクトル)を求める方法となる。
 通常は、工事基準点や、工事基準点から正確に測量した点に基準局を置き、基準局の測位情報を、無線やインターネット経由で移動局に送り、演算して相対位置を割り出している。
 一方、ネットワーク型RTK(VRS)は、現場には基準局を置かず、国土地理院が全国に1300点整備している電子基準点の測位データを使って、現場内に仮想基準局を設定し、インターネット経由で補正情報を移動局に送り、演算して位置座標を割り出している。

◇安価なM8Pモジュール

 今回はこのRTK方式を、前回と同様に廉価なモジュールを使って実践してみたい。使用するのはu-blox社の「NEO-M8P」で、USB接続できるモジュールを、センサコム(東京都三鷹市、北條晴正社長)の協力を受けてお借りした。
 モジュールの価格は、おおむね3万円以内で、数千円のGNSSアンテナをモジュールに接続し、アンテナには近くのビルや構造物から跳ね返って入射してくる余計な衛星信号「マルチパス」を低減するための「グラウンドプレーン」を付ける。グラウンドプレーンは、電波信号を吸収する金属板であればよいので、100円ショップで販売していた鍋の蓋を利用した。
 このGNSSアンテナをカメラ用の三脚に固定し、会社の近くの開けた場所で計測を行う。
 持ち出したのは、モジュールとアンテナ、三脚、ノートPCとインターネットに接続するためのwifiルーターだけだ。
GNSS Viewerというフリーソフトで、NMEA情報や衛星の受信状況を確認

 まずは、GNSS Viewerというフリーソフトで、NMEA情報や衛星の受信状況を確認してみる。当初設定通り、GPSとGLONASSの衛星信号がモジュールから流れていることがわかる。
 次回は、インターネットを使って補正情報を受け取るRTK方式の具体操作に入る。
(田中一博)

建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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