【挑戦! i-Construction82】3cm以内の測位結果を出力 インターネット経由で基準局情報を入手


 前回から設定を続けているRTKLIBだが、最後は、下部にある「オプション」というボタンをクリックして行う。オプションボタンを押すと、新しく設定ウインドウが出てくる。
 この「setting 1」のタブにはいくつかプルダウンメニューがあり、上から順番に設定していく。「positioning mode」は、single、DGPS、Kinematic、staticなどといくつか選べるようになっているが、今回はRTK方式を行うため、Kinematicを選択する。
次にfrequenciesタブがあるが、こちらは今回1周波での観測を行うため「L1」のみを選択する。Elevation Maskは、衛星の仰角で、低い位置の衛星からのデータをカットするためのもの。低い位置の衛星の信号は誤差が大きくなるので、一般的には30度より下の位置にある衛星はカットするので30度を指定する。その右にはボタンがあり、押すとL1、L2、L5信号それぞれの信号強度ごとにマスクをする設定もある。今回はL1の35dB以下の信号をカットするように設定した。
 ほかのプルダウンメニューはそのままにしておいて、一番下のチェックボックスで使用する衛星種別を選ぶ。今回は米国のGPSとロシアのGLONASS、日本のQZSSにチェックを入れた。
 次にsetting2のタブに移動し、一番上のInteger Ambiguity Resという部分に、3つのプルダウンメニューがある。左からGPS、GLONASS、BEIDOUの順番に並んでおり、GPSにはFix and Holdを指定する。GLONASSとBEIDOUは、onを指定する。
 これは位置座標のFIX解を求めるときに、カルマンフィルタという手法で解を予測する機能を使うという設定。
最後に、positionsタブを開いて、Base Stationの部分に、基準局の緯度経度と高さを入力する。これはNTRIPのサイトに正確に記述してあるので、この数値を間違いなく打ち込んでおく。ここまでで、RTKLIBの設定は完了だ。

◇計測スタート

 実際に、会社の近くの天空が開けた場所で、実際の計測を行った。カメラの三脚にグランドプレーンの鍋の蓋を取り付けたアンテナを固定し、モジュールと、ノートPC、インターネットに接続するためのwifiルーターで、計測を始めた。
 RTKLIB画面左下の「Start」ボタンを押すと、計測が始まる。3分割された画面の左側は、現在のステータスが現れている。解が得られていない場合は灰色のままだが、衛星を捉えると「SINGLE」という赤色表示になり、単独測位を行っている表示になる。下には北緯と東経、高さが表示されている。
右側の上段は、自分のアンテナが捉えている衛星と信号強度が表示され、下段はインターネット経由で送られてくる基準局が捉えている衛星と信号強度が表示されている。
 棒グラフの下には衛星番号が振られていて、上段と下段で同じ衛星からの信号を比較して、測位解を出している様子がリアルタイムで把握できる。
 しばらく待っていると、ステータスがSINGLEから「FLOAT」へと移行する。以前の回で書いたが、この状況はRTKがうまく動いているが、まだセンチメートル以下の精度で位置を特定できない段階だ。
 衛星の状態などがよければ、しばらくするとFLOATという橙色の表示から「FIX」という深緑の表示に変わる。しばらくその状態が続き、高さの表示の下にある「Ratio」という数値が100以上に変われば、真のFIX解が得られていると判断できる。
縦横3cmの範囲に安定して計測結果が出力された
実際の計測では、FIX状態になった後は、縦横3cmの範囲に安定して計測結果が出力されるようになった。RTKLIBは、結果をGoogleマップやGoogle Earth上にプロットもできる。ぜひ、こうした手軽な衛星測量を体験してほしい。(田中一博)

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