【挑戦! i-Construction83】今年度も盛りだくさん! 平成30年度アイコンストラクション要領改訂を徹底解説

国土交通省は4月から新たに、20の要領、基準類を整備した。「UAV搭載LS」や「地上移動体搭載型LS」、従来のTSによる出来形管理をTS等光波方式に改めるなど、今回も大幅な改訂が加えられた。この平成30年度i-Constructionにかかわる要領改訂について、国交省公共事業企画調整課の近藤弘嗣課長補佐から解説をいただいた。今回は、この新たな要領類について、ねらいを読み取ってみたい。


◇河川浚渫、コンクリ舗装

 今年度のICT施工では、周辺工種への拡大と技術基準類のカイゼンといったところが大きく変わる。
 まず工種の拡大では、新たに「ICT浚渫工(河川)」「ICT舗装工(コンクリート舗装)」が始まる。そのほか、維持管理分野と官庁営繕分野でICT導入を開始する。
 基準カイゼンでは、施工者の意見をふまえた改正も行われる。無人航空機搭載型LSの出来形管理要領は、機器の精度確認試験を絶対座標ではなく計測の再現性に変えたほか、計測の基準を起工測量や出来高計測用に緩和規定を設けた。
 またTS出来形はTS光波と名を変え、国土地理院が級別認定しているTSでなくても、最近発売されている望遠鏡がないタイプの光波方式機器などを認定がなくても使用できるようにした。
 舗装工で使われる地上型TS(TLS)では、計測時の盛り替えが手間だという意見を受け、TSやIMUなどでTLSの自己位置を定位できる計測技術に対応した。

◇拡大された工種

 工種の拡大では、昨年港湾バージョンが整備された浚渫工だが、今回から河川工事も追加された。河川浚渫では油圧ショベルが使われているが、ICT建機の掘削時に取得できる施工履歴データで出来形管理を行い、1工事に1回程度段階確認を立会で行って規格値以内であることを確認すれば、完成検査の実測を省略する。
 またICT舗装工をコンクリート舗装にも適用し、これまで基準高、幅、厚さを測定していたものを、施工前後の形状を地上型LSで面的に計測し、2層の点群データの標高差の厚さと、設計厚さの差分で評価する。面管理にすることで、規格値は1000㎡ごとにマイナス10mmだったものを、1㎡ごとにマイナス22mmまで緩和する。

◇来年度への試行的導入

 新年度に打ち出された20の基準類に加え、31年度中の整備を目指した取り組みも行う予定だ。それは「ICT法面処理工」と「ICT舗装工の修繕分野への適用」だ。両方とも30年度も試行的導入し、31年度中の基準類整備を目指す。
 法面処理工は、3次元設計データによる設計・施工計画や法面アンカーを自動制御する機械による施工、面管理基準による出来形管理などを行う。
 切削オーバーレイなど舗装修繕については、LSで事前測量して、3次元設計データによる設計・施工計画を作成、マシンコントロール路面掘削機械などで施工し、ICT振動ローラの加速度応答値などの施工履歴を使って品質管理する。面管理基準も作成する方向だ。

◇監督検査でも合理化

 監督検査の面でも、工事監督技術基準に基づく段階確認などに対して、VRや遠隔映像、機械の履歴データなどを活用して大幅な合理化に着手する。
 カルバートや側溝、擁壁などの周辺工種も点群で管理して、全体的に3次元管理できる基準類の整備や、3次元データを使って、現地立会での確認・検査に替えることも進める。
 具体的には、ウエラブルカメラなどの中継映像で監督員が事務所で確認できるようにして、現場が監督職員を待たなくてもいいようにする。段階確認の頻度をゼロにまで持って行きたいという。こちらも必要な基準類改訂のための検証作業を行う。(田中一博)

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