【挑戦! i-Construction87】ICTで行う河川浚渫 施工履歴データを使った出来形管理とは

2018年度から拡大されたICT工種に「ICT浚渫工(河川)」がある。この工種は昨年度に港湾で導入されたが、港湾では主にグラブ浚渫が使われている。今年度からの河川の浚渫工では、おもにバックホウ(BH)浚渫船をICT建機として考慮している。

◇従来の手法

 河川土工マニュアルによると、河川浚渫工は、グラブ浚渫船、ポンプ船、バックホウ浚渫船の3つに分けられており、その中でも、バックホウ浚渫船は、近年、河川における浚渫での施工事例が増えてきた。
 従来のバックホウ浚渫船による河川浚渫工事について見てみると、まず河床の現況把握のために事前に深浅測量をして、測量結果を基に施工計画を作成する。その後、浚渫船運転工、土運船運搬、揚土工を繰り返して河床を整形し、最後に出来形測量として再度、深浅測量を行っている。
 これまでの課題としては、掘削面が水面下にあって目視できないので、オペレータの熟練度によって出来形の正確さが変わってしまうことや、浚渫船の移動ごとに掘り残しの確認をスタッフなどでの人力計測が必要だった。

◇BH浚渫船のICT

 バックホウ浚渫船に搭載されている建機を3次元MG、MC化すると、これまでアームに線を書くなどして把握していた深さ管理が、手元のモニターで簡単に刃先位置を確認でき、熟練者でなくても正確な施工ができる。
 さらに3次元設計データを搭載すれば、掘削済みの部分は色分けで表示されるため、出来形や出来高の管理も簡単になる。

◇出来形管理基準も変更

 今年度からICT建機の利用を前提にした『施工履歴データを用いた出来形管理要領(河川浚渫工事編)(案)』の新設や、基準類の改訂が行われた。
 この新設・改訂は、従来の抽出検査から面管理(全数管理)を導入したことと、ICT建機のバケット軌跡で出来形管理し、完成検査を省略できるようにした点がポイントだ。
 面管理導入では、これまで20mごとの測線で5m間隔で行っていた抽出管理を、1㎡ごとに1点の密度で管理する。一見厳しくなったように見えるが、従来プラス20cmまでしか許容しなかった基準高を、面管理ではプラス40cmまで許容する(全体の平均値は基準高以下にする)。また幅と延長の規格値も省略した。加えて出来形管理の計測方法は、レッド測深に加えてマルチビームなどの音響探査でもできるようにした。面管理導入で、これまで測線外では分からなかった掘り残しがなくなる。
 出来形管理要領では、ICT建機で掘削時に取得したバケットの軌跡記録を取りだして、点群処理ソフトで最下点を抽出して出来形管理できるようにした。この管理により、完成検査(実地)の実測を省略する。ただデータ改ざん防止のために、1工事に1回程度立会での段階確認を行う。
 国交省は「管理手法は大きく変わるが、心配せずに履歴データを活用してほしい」としている。(田中 一博)

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