【挑戦! i-Construction89】アカサカテックのGNSS測量システムを使ってみた――現場に手軽な衛星測量提供

中村建設の現場で実際に計測した
 アカサカテック(横浜市金沢区、加瀬順一社長)は、アンドロイドスマートフォンに対応したクラウド型のGNSS測量システムを開発、販売している。製品は、アンドロイドアプリの「Smart-GPMate」と、クラウド型GNSS計測管理システム「regolith(レゴリス)」で構成されており、ネットワーク型RTK計測を誰でも簡単に高精度な計測が実現できる。今回は、中村建設(奈良市、中村光良社長)の協力を頂き、実際の現場で製品を使ってみた。

▽単純明快なシステム

 システムは、市販のGNSS2周波アンテナ・受信機とアンドロイド端末、計測ポールとクラウドシステムで構成されており、簡単に持ち運びが可能だ。現場で受信機の電源を入れて、端末とBluetoothで接続すれば、自動的に端末のインターネット経由で、ジェノバのVRSサーバから補正情報を取得して、数cm単位の高精度で現場に必要な3次元座標を取得できる。
 事前の準備としては、事務所のPCを使って、クラウドサービスのレゴリスで現場ごとにプロジェクトを作成、現場計画図などをDXF形式でアップロードし、工事基準点や杭の座標、測線などを登録しておく。この時に現場の平面直角座標系なども指定しておく。また端末にもDXF形式の現場図をコピーする。事前準備はこれだけだ。

▽現場で計測
 現場では、まずGNSS受信機の電源を入れて端末と接続ポールに取り付け、端末側でアプリを立ち上げ、アンテナ底面の高さをミリ単位で入力する。設定が完了すると計測画面が表示される。

端末の計測画面
中村建設の現場から、あらかじめDXF形式の計画図面を提供していただいたので、計測画面にはすでに現場の図面が表示されている。きちんと上空視界が開けていれば、計測画面上部に表示されているGNSS状況が「FLOAT」から「FIX」に変わり、VRSで位置が確定されていることがわかる。
 現場ではまず、逆打ち計測という機能を使って、測量で設置した工事基準点まで誘導させてみた。端末は現在位置から指定した基準までの離れと方向をリアルタイムで表示し、近づくにつれ距離レンジが小さくなって精密に基準点まで誘導した。
 次に、コンクリート打設が済んだ構造物の変化点を「一般計測」という機能で計測した。この機能は新点を測るもので、擁壁の変化点にポールを当てて計測ボタンを押すと、その3次元座標をクラウドに転送して記録する。実際に測ったところ、計画図どおりに施工されていることが確認できた。
 中村建設の職員の方に実際に使ってもらったところ「光波で測るよりも手軽で、土工などの自主管理などで使ってみたい」「衛星測位がこれほど簡単だとは思わなかった」などの感想を頂いた。
 GNSS計測システムは、実際に使ってみると便利さがよくわかる。皆さんの現場でもぜひ試していただきたい。
 今回使用した2周波のアンテナ受信機は百数十万円程度のものを使用した。アカサカテックでは近く、50万円程度の安価な1周波受信機を発売する予定で、こうした製品が普及すれば、多くの現場で手軽に衛星測量が使えるようになるだろう。

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