前回はブルドーザーのマシンコントロールについて学んだが、バックホウのマシンコントロール(MC)とガイダンス(MG)はもう少し複雑だ。ブルドーザーを自動制御する場合、ブレード操作はチルト、リフト、アングルをそれぞれのシリンダで行うが、各シリンダの動きは独立している。一方、バックホウは、ブーム、アーム、バケットのシリンダが複合して動く。

前回まで、工事基準点や重機の座標の取り方を見てきたが、座標がとれるようになったら、いよいよ重機をi-constructionの施工技術である「情報化施工」に対応させよう。情報化施工には、いくつか種類があるが、3次元で設計したデータを重機に搭載し、重機の現在位置データと比べながら施工する「3次元マシン(3D)」と、設計データを載せず、施工重機のブレードやバケットの高さや勾配だけを知らせる「2次元マシン(2D)」がある。
 またそれぞれの方式には、ブレードやバケットを油圧で自動的にコントロールする「マシンコントロール(MC)」と、画面や光、音でオペレーターに知らせる「マシンガイダンス(MG)」がある。これ以外にも、ローラーの転圧管理システムもあるが、今回はMC、MGを解説する。




 現在、地球には、米国が打ち上げたGPS衛星や、ロシアのグロナス、EUのガリレオ、中国の北斗(ベイドゥ)、インドのIRNSS(NAVICに名称変 更予定)などのGNSS(全地球衛星測位システム)が運用されている。日本も準天頂衛星(QZS)「みちびき」を1機運用中で、2018年までに4機体制 を目指している。衛星の数が増えているのは、世界各国が衛星測位の価値を認めているからだ。

いざ、現場に情報化施工を導入する際、一番必要なことは「いま、重機が現場のどこにいるか」を把握することだ。丁張や水糸も、工事完成後の姿を指示するためにある。なんの目標もない場所では、オペレーターもどこを掘ったり盛ったりするのか分からない。
 工事を受注して着工するとき、現場は現況を把握し「工事基準点」を設定することから始まる。現場の近くに設置されている公共座標を原点にして、現場外周に工事用基準点を設置し、これを目印にして構造物や土工の位置を決めていく。水平方向だけでなく標高についても工事水準点を使って関連付けていく。
 現場を測量するということは、地球上のどこを工事するのか明確にすることといってもいい。情報化施工は、重機の排土板やバケットの刃先が、3次元座標で地球上のどこにあるかを意識する技術でもある。
 アイ・コンストラクションで脚光を浴びてきたドローン(UAV)による測量も、上空から写真を撮り、写真測量によって現場の3次元座標を測る技術だ。