2016年4月にコベルコ建機とコベルコクレーンが合併、“新生コベルコ建機"となった。この間の市場環境は「非常に厳しかった」と振り返る。特に重機ショベルは、国内需要がピークだった13年度の半分の約2万台に低迷、クローラクレーンも主に東南アジアでの需要が前年比40%減と、リーマンショック後の水準に減少減産を余儀なくされた。一方、17年度はショベル需要が上向いたインド、底打ち感のある東南アジアと中国のほか、原油相場の回復を優先したOPEC(石油輸出国機構)減産合意もあり「需要が増えるのではないか」と読む。
2017年の経営環境は「9月から始まる排ガス規制に大きな影響を受ける」と読む。昨年は油圧ショベルの需要が減少するなど、「とにかく大変な1年だった」と振り返るが、「すべてが暗いわけではなく、ことしは今後数カ月で東京五輪の需要が出てくると期待している。少なくとも五輪まで、少しは伸びていくだろう」と慎重に見通す。

 「地域によって回復の兆しも見えたが、世界全体で厳しい1年だった」と振り返る。国内は排ガス規制の駆け込み反動減が続き「特に油圧ショベルの需要が落ち込んだ」。景気の不透明感が続く中国は「2016年6月以降、徐々に当初予想に対して上振れの傾向が表れ底打ち感が出てきた。直近のピークの10年度にはわれわれ外資メーカーの需要が約11万台だったが、16年度の予想は2万2000台程度と本格回復にはほど遠い」
2016年を振り返り「建設・鉱山機械の需要は厳しかった」と口元を引き締める。国内では「新排出ガス規制関連の需要が一巡したことなどもあり、低調に推移した」。一方、欧米は比較的堅調で、中国市場についてもこの数カ月で大規模工事が動き出し、需要底打ちの兆しがあるものの、「どの程度のスピードで回復するのかまだわからない。本調子によくなるとみるのではなく、さまざまなファクターをみていく」と、世界市場全体の動向を注視する考えだ。

 2017年に日本法人設立20周年を迎えるライカジオシステムズ。国土交通省の進めるi-Construction(アイ・コンストラクション)に代表される建設業の生産性革命が本格化する中、日比孝典社長は「まだ黎明期だが、各社が本質を理解して独自色をもって取り組むようになれば、われわれがお手伝いできる出番だ」と力を込める。17年を「飛躍の年にすべく、i-Conに関する“目玉"も用意し、さまざまな計画をあたためている」と語る日比社長に今期の戦略などを聞いた。

鹿島は、2015年に開発した建設機械の自動化技術による建設生産システム「A4CSEL(クワッドアクセル)」に自動ダンプトラックを導入した。振動ローラーとブルドーザーの自動施工は実現していたが、ダンプトラックの運搬と荷下ろし作業の自動化は国内初となる。大分市の大分川ダム堤体盛立工事で導入試験を実施。今後は油圧ショベルの自動化にも取り組み、適用機種を増やして造成工事やダム工事での自動化システムの完成を目指す。


 国土地理院は、地上型レーザースキャナー(LS)の測量技術マニュアル案を2016年度末までに作成する。これにより、同機器の使用が17年度から標準化されるため、公共測量での導入が加速するとみられる。公共事業の川上にある測量業務の3次元化は、国土交通省が進める建設生産システムのICT(情報通信技術)化に直結するだけに、今後の動向が注目される。


 人口減少と高齢化を背景に建設産業にとって最重要課題となっている“担い手の確保・育成"。その難題への対応策として打ち出された建設現場の“生産性革命"。この両者を包含した「働き方改革」の考え方は、建設産業の将来をどう変えていくことになるのか--。国土交通省の森昌文技監は、2017年をi-Construction(アイ・コンストラクション)を本格化させる「前進の年」に位置付ける。


 東北地方整備局は、i-Construction(アイ・コンストラクション)のトップランナー施策に位置付けられているICT(情報通信技術)の全面的な活用を管内で普及・促進するため、『ICT活用取り組み事例集』をまとめた。河川や道路、港湾事業でICT活用状況や現場(施工者)の声、業団体との連携事例など、10件の“ベストプラクティス"を盛り込んでいる。また、2月に設置した東北復興i-Con連絡調整会議や人材育成の取り組み、ICT建機を購入する際の税制優遇・補助金制度なども掲載している。
 ICT活用事例の概要は、次のとおり(①施工者など②発注方式③工事概要④現場の声)。

 ▽北上川上流曲田地区築堤工事(岩手県一関市)=①小山建設②施工者希望II型③施工延長140m、盛土工1万4000m3④オペレーターの気持ちに余裕が生じ、周囲の安全確保を的確に行える。

 ▽吉浜南地区道路改良工事(同県大船渡市)=①小原建設②契約後協議③施工延長420m、掘削工8万m3、盛土工4000m3④UAV(無人航空機)使用により起工測量の日数が5日から1日に短縮できた。
吉浜南地区道路改良工事

 ▽舘地区道路改良工事(宮城県気仙沼市)=①岩田地崎建設②同③施工延長360m、掘削工10万6000m3④事前に完成形が3次元で確認でき、重機オペレーターの理解度が上がり、高精度に施工しやすくなった。
舘地区道路改良工事

 ▽鳴瀬川多田川米袋地区築堤工事(同県大崎市)=①武山興業②同③施工延長250m、盛土工2万1000m3④重機と測量の競合がないので、重機周囲の安全が確保される。

 ▽子吉川本荘地区外河道掘削・堤防強化工事(秋田県由利本荘市)=①長田建設②施工者希望II型③施工延長140m、掘削工1万m3④経験の浅いオペレーターでも熟練者と同等の仕上がりが確保され、若手オペレーターの育成につながる。

 ▽米代川玉ノ瀬地区下流河川改修工事(同県大館市)=①秋田土建②施工者希望I型③施工延長180m、掘削工3万1000m3④これまで測量(丁張り・出来形)などの施工管理に要した人員を大幅に削減できた。

 ▽跡地区道路改良工事(山形県庄内町)=①丸高②同③施工延長820m、掘削工1万5000m3、盛土工3万6000m3④ICT建機による転圧管理で、踏み残しや過転圧を防止し、品質の安定と向上が図られた。

 ▽保原桑折地区道路改良工事(福島県桑折町)=①西武建設②契約後協議③施工延長200m、盛土工22万3000m3④3次元測量により起工測量にかかる日数が7日から4日に短縮された。
保原桑折地区道路改良工事

 ▽港湾分野におけるICT活用状況(青森県八戸市、久慈市)=①みらい建設工業など②-③浚渫工事の出来形管理④危険な消波ブロック上に作業員が立ち入ることがなくなり、安全が確保された。

 ▽ICT活用土工実証検討会(秋田県)=①秋田県建設業協会、東北測量設計協会、秋田河川国道事務所②-③ICT土工工事を学習・広報の場として活用④ICT導入のメリットがわかった。現場の作業は大変だと思っていたが、工事技術の進化を感じた(高校生の声)。