国土交通省はi-Construction推進のために、ICT建機や3次元設計データ、施工機械の稼働状況といった工事にかかわる情報のフル活用について検討を進めている。現場施工時には、敷地や機械台数などでさまざまな制約条件が生じるが、ICTで得られる情報をうまく活用して最適な現場マネジメントを行い、全体で生産性を向上させるのがねらいだ。今回、国土技術政策総合研究所が「ICT施工の工事進捗マネジメントに関する調査整理業務」として、茨城県土浦市の直轄河川工事現場で取り組んでいる事例を紹介する。
ICTを現場に導入して約8年。11日に国土交通省が発表した1回目の「i-Construction大賞」で国土交通大臣賞を受賞した。ICT土工の第1号工事として延べ800人の見学者を受け入れるなどICT土工の有用性を広めた点も評価され、「いろいろな方から教わったり力をいただいた結果」と語る。「これで終わりではないという気持ちを持ち続けて努力する」と、さらなる生産性、安全性、品質の向上に意欲を燃やす。

 国土交通省は11日、2017年度『i-Construction大賞』の受賞者を発表した。最優秀賞となる「国土交通大臣賞」の受賞者は、砂子組(北海道)とカナツ技建工業(島根県)に決定した。年明けに表彰式を開く。
 北海道開発局が発注した「道央圏連絡道路千歳市泉郷改良工事」を施工した砂子組は、社内に専門部署「ICT施工推進室」を設置した。ICT施工に関する準備を専門部署に一元化することで、現場へのバックアップ体制を強化。スムーズなICT対応を実現した。
 ICT土工の第1号工事として多くの見学会や取材にも対応。ICT土工の有用性を広めた点も高く評価された。
 一方、中国地方整備局の「多伎朝山道路小田地区改良第12工事」を担当したカナツ技建工業は、地元の測量業者や測量機器メーカー、関連ソフトのメーカーで構成するプロジェクトチーム“i-Con etc隊(アイコン エトセトラ隊)"を編成。元請けを中心に地元業界の力を結集してICTの活用に力を入れている点が評価された。
 若手技術者を対象にした研修や女性技術者向けの講習会など、ICTに対応できる技術者の育成に積極的に取り組んでいる点も高く評価された。

建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
UAVやレーザースキャナ(LS)などを使って起工測量を行った場合、工事区域の点群やTINデータは作成できるが、現場周辺の地形などが必要な場合、国土地理院が提供する基盤地図情報(数値標高モデル、DEM)を取り込み、メッシュ地形モデルを作成することができる。今回は、実際に地理院の基盤地図情報ダウンロードサービスサイトから、LandXMLでデータを取得し、福井コンピュータのトレンドポイントでデータ化してみる。

◇DSMとDEMの違い

 基盤地図情報は、基本的に国土地理院が航空レーザー測量で取得したもので、航空レーザ測量からはオリジナルデータ、グラウンドデータ、メッシュデータ、オルソ画像といったデータが取得できる。
 オリジナルデータは、DSM(Digital Surface Model)と呼ばれ、航空機から発射されたレーザーのオリジナル数値が入っている。これには地表面だけでなく、樹木や建物といった高さ情報も入っている。
 一方で地盤の高さだけが必要な場合、DSMから樹木などの高さを取り除くフィルタリングを行うと、地盤面の高さだけが残る。これがDEM(Digital Elevation Model)と呼ばれる。
 サイトで手に入るDEMデータは、地表面を等間隔の正方形に区切り、それぞれの正方形に中心点の標高値を持たせたデータだ。

◇つくってみよう

国土地理院の基盤地図情報ダウンロードサービス
国土地理院の基盤地図情報ダウンロードサービス(https://fgd.gsi.go.jp/download/menu.php)は、商業利用も可能なサービスで、利用規約を守れば自由に利用できる。
 利用にはIDとパスワードが必要だが、登録はサイトから簡単に可能だ。サイトからは、基盤地図情報の基本項目、数値標高モデル、ジオイドモデルが入手できる。
 サービスに入ると、日本全国の地図が表示され、縮尺の変更や市町村の選択ができる。作成したい地域を探して指定する。今回は、富士市のDEMからTINデータを作成してみる。
 サイトで必要なエリアを選択して、当該地域のXMLファイルをダウンロードする。
 ファイルが手に入ったら、トレンドポイントを起動し、新規プロジェクトとして測量座標系でプロジェクトを作成する。
 次にファイルメニューから、「基盤地図(標高)」という読み込みメニューボタンを押して、先ほどダウンロードしてきたXMLファイルが入っているフォルダを開き、該当するXMLファイルをすべて選択して開く。
 すると平面直角座標系を聞いてくるので、今回は静岡県の「8系」を指定する。すると数秒でDEMの点群が平面直角座標で読み込まれる。5mメッシュで富士市の市街地がきれいに読み込まれた。
読み込まれたデータ

◇説明会用資料にも

 現在の表示だと、すべての点群が白いままなので、ここで高さ情報に色を付けてみる。表示メニューから点群表示色を「標高段彩」と指定し、色づけのレンジを高さマイナス2mから20mの範囲に絞ると、図のように高さが一目で判別できるようになった。
 次は、点群から不等辺三角形網(TIN)を作成する。三角網メニューから外周線を自動作成し、その外周線内の点についてTINを張る。これは外周線を指定してボタンを押すだけだ。図のようにきれいに面が作成されたことがわかる。
 完成したモデルは、ぐるぐると動かせるので、現場の起工測量データや設計データをこのモデルに重ねて、説明会や協議用の資料としても生かすことができる。
(田中一博)
点群に色を付けた
TINで面を作成した

建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

 今回は、UAVの写真測量から作成した現況の点群データと、自分で作成した3次元設計データを元に施工数量を算出する。まず、トレンドポイント(点群処理ソフト)で、現況の点群データをテキストやcsv形式で読み込ませる。次に武蔵で作成した3次元設計データをLandXML形式で三角網として読み込む。
 また工事基準点などの座標情報をSIMA形式のファイルで入れる。トレンドポイントは、テキストやcsvで座標点群を読み込ませると、点名が表示されないが、SIMA形式で入れると点名もきちんと表示する。

◇土量計算方式

 土量の数量算出方法は、平成28年度土木工事数量算出要領(案)で、(1)点高法(メッシュ法)(2)TIN分割法(3)プリズモイダル法の3方式が定められている。
 点高法は、現況地形や出来形計測結果などからなる2つの面データに重ね合わせたメッシュ(等間隔)交点で標高を算出し、標高差にメッシュ間隔の面積を乗じたものを総和する。メッシュ間隔は50cm以内だ。
 TIN分割法は、それぞれのデータからTINデータを作成し、ある一定の標高値で、DL面(標高基準面)を設定し、各TINの水平投影面積と、TINを構成する各点からDL面までの高低差の平均(平均高低差)を乗じた体積を総和する。
 プリズモイダル法は、2つのTINデータを互いに投影して、ラインが交差する部分で新しいTINラインをつくって、再び面をつくり、三角形水平面積と高低差を乗じた体積を総和する。

◇実際に測定

メッシュ法で測定する
今回は(1)のメッシュ法で実施してみる。
 「メッシュ領域の作成」からTINを選択すると、外周線が自動で選択されるので、外周線を選択した後、モデルが一番大きくなる角度でメッシュを決める。
 メッシュで生成する立方体の高さを、どの点群の高さから取るかを決めるため、逆距離加重法、最近隣法、平均法から選択する。
 格子サイズは、土量計算では1、2mでよい。ただ、工事の費用的なことを重視するなら、メッシュは細かい方がいいかもしれない。
 設定項目を入力したら「作成」というボタンを押すだけで計算が始まり、現況地形と設計データとの差を表示してくれる。メッシュ法による計算結果は、盛土量が5万9759m3、切土量が1993m3となった。差し引きで5万7765m3が、この工事での土量となる。

三角網による土量計算
次に三角網による土量計算も行ってみる。まずUAVで生成した点群からTINによる面をつくる。点群データに自動で外周線を作成し、起工測量用に0.25㎡あたり1点の密度を指定してTINを作成する。その後、3次元設計データのTINとの差分から体積を計算する。
 こちらは、メッシュを作成せず、設計データのTINの体積から求めるため、結果は、盛土量が5万9792m3、切土量が2040m3となった。差し引きで5万7752m3。計算後は、エクセルで開けるcsvで出力できる。(田中一博)